異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第1431話 【エピローグオブ喜三太陛下・その2】めぐりあいお排泄物 ~マイナス(祖父)にマイナス(孫)を掛けたらプラスなんや!!~
第1431話 【エピローグオブ喜三太陛下・その2】めぐりあいお排泄物 ~マイナス(祖父)にマイナス(孫)を掛けたらプラスなんや!!~
逆神喜三太陛下と逆神大吾。
彼らは人殺助討伐任務において、六駆くんがデコイとして召喚した者同士。
喜三太陛下は転移スキルでも割と活躍なされてもおられたが、残念なことにあの時は戦争終結直後。
ちょっとやそっと活躍したところで心証が良くなることはなかった。
そして最後は人殺助・捌に人質としての価値がないにもかかわらず人質に取られて、ひ孫に命を獲られた。
喜三太陛下と大吾は共に死んだが、大吾は自然復活して陛下は六駆くんが嫌そうな顔しながら『
そんな2人が初めてちゃんとした平時に出会う。
ただ、皇営プールには五十五くんがいる。
優しい彼は喜三太陛下が「ぶーっはははは!! こんなんどうや!?」と悪巧みしても「悪しき可能性だけでは裁けないかもしれん!!」と優しさが先に仕事をするため疑わしきは罰せずというやり方。
だが、逆神大吾の存在は当然だが知っており、陛下と大吾を見た瞬間に「混ぜるな危険」という危機管理シミュレーションが発動するのは必然。
「ねー。五十五? キサンタが言ってたんだけどさー。スク水の日焼けあとって男子は好きなん? なんかちょっとダサくない? 最近いっつもプールにいるから、ほらー。肩紐のとこだけ白いの。これさ、肩紐外してこんがり焼いた方が良くない?」
「確かにそうかもしれん!! だが、他にも利用者がいるところでそれをやるのは良くないかもしれん!!」
「あ。ごめん。それは迷惑になるからヤメろ的なヤツ?」
「いや! 貴女のあられもない姿を他の者に見せたくない方が強い!!」
「え。やばっ。しゅき」
「定時連絡をするのだった。六宇、少し失礼する!!」
陛下の1番可愛いひ孫の六宇ちゃんのおかげで、五十五くんセンサーから逃れる事に成功した逆神家のお排泄物たち。
これが運命の導きなのか。
「陛下。おそれながら申し上げます。こちらの
ただ、陛下の側近には皇国を愛する四角い男がいる。
この男も「混ぜるな危険」を敏感に嗅ぎ取っていた。
「えっ? テレホマン、正気か? なんぼ孫やって言うてもやで? ワシ、これより綺麗な孫はいっぱいおるで?」
陛下、御計算の御ミスをなされる。
大吾と同じ逆神第2世代は確かにいっぱいいた。
戦前、いやさ戦時中まではたくさんいた。
そして山ほど戦争で消費して大半が行方不明になった。
逆神田吾作、逆神兵伍、いずれも日本本部のどこかでホルマリン漬けになっているかと思われるし、逆神五十鈴は呉で更生プログラム中。
分家含めると他にもいっぱいいたが、割愛する。
現状、バルリテロリで活動中の
が、そんなもん些事である。
今はとにかく、四郎じいちゃんに「お宅の息子さんがいらしてございます」と自然な感じで見つけてもらう事こそが肝要。
戦後のテレホマンは7割くらい現世の逆神家に忠誠を誓っているが、逆に考えるとあれだけの苦労とあれだけの地獄、艱難辛苦を繰り返してもなお、未だ3割以上の忠誠心を喜三太陛下に抱いている得難き男。
「陛下!! ひ孫様と友誼を結ばれるという御考え、このテレホマン感服いたましてござます。さすれば、御父上であらせられるこちらの汚い、失礼いたしました、噛みました。ワイルドな御孫様とも友誼を築かれるが良いかと愚考する由にございます」
「ええー。そうか? テレホマン、疲れとるんやないけ?」
いつもは「テレホマンが言うんならそうなんやな!!」と2度目の御忠言でだいたい首を縦に振ってくださる陛下なのに、こんな時ばっかり正常な御判断をなされる。
もたもたしてると何かが起きるのがエピローグ時空。
尺は本編時空よりも短いのである。
「こんにちはー!! ラボに寄ったら六宇さんプールだって聞いて来ました!!」
「あ! 莉子ちゃん!! おっつー!! 大学は?」
「わたし、今日はお昼までだったので!! 六駆くんは夕方まで講義ですし、バルリテロリで体動かそうかなって!! 水着持って来ました!! 大学で買った競泳水着!!」
「マジ? 莉子ちゃん、ちょー偉いじゃん。あたしはね、五十五が今日は休養って聞いたからつい! 学校サボってプールでデートしてた!! あはっ!!」
メインヒロイン、降臨す。
知らねぇ間にバルリテロリを別荘地扱いし始めて久しい莉子ちゃん。
さらに乳と和解したのでプールもへっちゃら。
さらにさらに、覚醒ハイパーアルティメット莉子ちゃんになったので体を動かす事にも積極的。
ミンスティラリアにはプールがない。
海ならばあるのだが、今の莉子ちゃんが求めるのは
プールで泳いで引き締まったセクスィーボデーを手に入れるのだ。
だから水着も女子探索員の会主催プールレクリエーションで貰ったビキニではなく、ガチで機能性を重視した競泳水着。
これで水の抵抗なんか実質0みたいなものである。
「おっ! ロリ子が来たで! テレホマン!! なんか甘いもん食わせよう!!」
「は? ……ははっ」
今はとりあえず莉子様でもデコイになってくださればと不承不承ながら了承しようとしたテレホマンだったが、
「おおおおい!! 莉子ちゃん!! オレ、オレぇ!! 今日も可愛いなぁ!! ちょっと見ねえ間になんか痩せた!?」
プールサイドで準備体操している莉子ちゃんを発見した大吾が手を振った。
清らかな心根であればしかめっ面、ありきたりなリアクションなら唾吐くか、調子が良ければ痰も吐くかと思われる、きたねぇ腋毛全開のおっさんの手振りサイン。
それに気付いた莉子ちゃん。
「あ! お義父さんだぁ!! こんにちはー!! お義父さん、おばあちゃんに怒られるんじゃないですかー?」
「平気、平気!! 今日はお袋、昔パチ屋でゲットした氷川きよしのDVDを囮にしたらまんまと引っ掛かりやがったからよお!! 知ってたか、莉子ちゃん? 昔な、氷川きよしのパチンコあったんだぜ!!」
「わたしが知るわけないじゃないですかー!! じゃあ、六宇さんと一緒に泳ぎますねー!!」
「おーう!! 溺れそうになったらオレを呼ぶんだぜ!! お義父さんが人工呼吸してやっからよ!! へへへっ!!」
その時、喜三太陛下に電流走る。
少しばかり慄きながら仰せになられた。
「嘘やろ……。こいつ、ロリ子とむっちゃ仲ええで? ワシの5倍くらい仲良しやんけ。イケる。こいつと組んだら、ロリ子経由でひ孫とも仲良くなって!! 四郎を出し抜けるでな!! ぶーっはははははははは!!」
テレホマンが天を仰いだ。
眩しかったという。
諸君は既にお気づきだろう。
それをやったとして莉子ちゃんとの友好度は微量だがアップするかもしれないが、大吾を経由する事できたねぇ間接フリーキックの図式が出来上がる。
最終的には六駆くんに「ふぅぅぅぅん」されるまでのルートが完成している。
「ぶーっはははは!! ええと、だい……? そうや! 大吾!! お前、なかなか見所あるなぁ!! ワシは喜三太!! お前のおじいちゃんやで!! 仲良くするでな!!」
「さっき聞いたわ。それ。熱中症か? プール入った方がいいぜ?」
破滅へのルートを往かれるのですか。陛下。
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