異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第852話 【人様の庭で行われる激闘・その6】ちゃんと強いぞ、(バル)皇族逆神家第二世代!! ~スマートな名称考えないと、スーパーサイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人みたいになってきた件~
第852話 【人様の庭で行われる激闘・その6】ちゃんと強いぞ、(バル)皇族逆神家第二世代!! ~スマートな名称考えないと、スーパーサイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人みたいになってきた件~
辻堂甲陽。
生粋のバトルマニアとして、発足間もない頃の探索員協会を戦闘の面で先頭切って引っ張っていた男である。
長らく次元の狭間に突き刺さって仮死状態になっており、復活したのち若返り、さらにピースへ与した事により今度は
ブランクは山のようにあるし若返ってからの実践訓練も心もとないし、そこに加わる
こけだけのマイナス要素を抱えながら、愛刀どころか適当に拾った剣と木刀の二刀流という初体験の状況でなお、(バル)逆神家の2人に対して一歩も退かずに前へ前へと攻め込んでいく。
「かっかっか!! 面白れぇ戦い方だねぇ!! おめぇさん!! 身体のどっかを硬化させたり突起させたり、肉体変化の類か!! 予測が全く付きゃあしねぇな!! おっとぉ! ほれ、また腕を斬られてんじゃねぇか!! だが、それじゃあ俺は倒せんぜ!!」
現在、遠距離から兵伍の
近距離では田吾作がガンガン攻めており、さすがに劣勢の辻堂おじさん。
それでも楽しそうに傷を負う事も厭わず前へ踏み込む。
「おおおぃぃぃ!! 現世のスキル使いっておかしいヤツ多すぎじゃねぇの!? なにこの人ぉ!! 左腕が打撲か骨折で紫色になってんのに、なんか左腕で剣技放ってくんだけどぉ!?」
「かっかっか! 腕の一本や二本取れてもくっ付けりゃいいのよ!! 『
巨大な次元の歪みが田吾作との距離を削り取り、一気に接近してから木刀を上空へ投げ捨てる辻堂さん。
「ちなみに俺ぁ! 剣術以外も使えたりするんだよ!! 『
「ほげぇぇぇぇ!! 何したん? この人ぉ!? オレの右肩がどっか逝ったけどぉ!?」
続けて、落下して来た木刀をジャンプ一番キャッチするとそのまま斬り下ろす。
「だがまあ! やっぱ剣が最高よ!! 『
「ぎゃああああ!! なんか真っ二つになってるけど、オレぇぇぇぇ!!」
圧倒しているように見えるが、田吾作は肩が空間に呑まれても、体を両断されても元気にリアクションを取る。
しばらくすると体は元に戻る。
だが、肩の風穴は復元しない。
辻堂さんは「ふーむ?」と顎に手を当てる。
「おめぇさん、再生とか治癒とか、そんな類の使い手じゃねぇな? なんだい? ちょいと教えてくれりゃしねぇか?」
「教えるか!! こんなやべぇヤツに自分の能力を説明して差し上げるヤツいるぅ!? いねぇよなぁ!!」
「ふふふっ。隠していたが、田吾作は粘着属性の使い手でもある。それを私の眼の『クチャラー』で増幅させて無理やり欠損したものを縫合している。
「味方ぁぁぁぁ!! なんで兵伍がそれ言うの!? せめて偽情報で躍らせようぜ!? オレがお前に踊らされてんだけどぉ!!」
安心してください。
逆神大吾みがいくら漂っても、「殺しても死なない」は彼のオリジナルです。
木刀を肩に乗っけて「ほーん」と辻堂さんは納得する。
「そりゃあ俺と相性が悪ぃなあ! こちとら、斬るのが専門だもんでねぇ! くっ付いちまうんじゃ、持久戦にならぁな。本調子じゃねぇって言い訳すんのは情けないけども、だ。今は居候先の防衛戦だからなぁ。愚直に相手してちゃ、埒が明かねぇってもんよ! ジョー! 聞いてたかい!?」
気付けば辻堂さんと田吾作の間には、なんだか見た事のあるような穴が存在している。
「かっかっか! こいつぁ俺にも使いこなせねぇんだよ! すげぇ娘っ子だぜ、ノアは! あいつ、剣に興味持たないかね? 弟子にしたくて仕方がねぇや!!」
結構な頻度で久坂家に遊びに来ているノアちゃん。
彼女にとっては辻堂さんも「甲陽先輩」なので、「ちょいとおめぇさんの『
それを年末から正月の間ずっと眺めて「かぁー!! 全然分からん!! なんだい、こりゃあ!!」という結論に到達した辻堂おじさん。
だが、「まあ応用すりゃ、連絡用の歪みくらいは作れっか?」とさっきからちょいと頑張った結果、一方通行の音声通信が可能な穴は構築する事ができた模様。
一発勝負でキメるのだから、やはりこの元ハゲも戦闘センスは半端ではない。
「あぁ。しっかりと聞こえてたぜぇ? そういう類なら俺の専門かもなぁ! おらぁぁぁ!! 『
「あ゛あ゛あ゛!! バカ、バカ野郎!! お前ぇ! 下からの攻撃はダメでしょうよ!!」
結晶を集合させたのちに地中から一気に放出、発射させ、桃色の衛星群が田吾作を上空に吹き飛ばす。
そこに待ち構えているのは桃色の外殻を身に纏った小鳩さん。
「お分かりになりまして? 旦那様が妻の好きな色を敢えて選んでくださる喜び!」
「おっ! やっと綺麗なチャンネー!! しかも乳でけぇ!!」
「……お排泄物!! わたくし、自分磨きはあっくんさんのため!! ついでに豊胸マッサージも始めましたのよ!! 大きければ大きいほどイイとあっくんさんは仰いましたもの!! 莉子さんがダウンしている今しか言えない秘密情報ですわ!!」
絶対に2度と口にしないでください。
Eランクお嬢様がそれを言うと、穏やかになった莉子ちゃんもガルルル化します。
「……いや、ありゃおめぇが言わせたんだろうがよぉ、小鳩。こいつぁここで消しとくか。『
さらに打ち上げるは結晶の槍。
小鳩さんは持って来た槍をまず田吾作めがけて投げつけた。
「あ゛だだだだたぁぁぁぁ!? えええ!? 痛い!! 嘘だろ、普通に槍投げすんの!?」
「
小鳩さんが大変珍しい、悪い顔をする。
レアな表情を詳細にお伝えすると結晶が飛んでくるので、大変残念。
「イキますわよ!! 『
「うぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
田吾作がバラバラになる。
スプラッターな映像をお伝えするのもアレですので、歴戦の雄の所見をどうぞ。
「ジョー。……小鳩のスキルがかなりバカになってんぞ? 良いのかい、旦那として。莉子とまったく同じ発想を感じるんだがねえ。銀の花弁のスキル、あれ、桃色に塗り替える意味ねぇだろよ? 趣味で
「……ちっ。あいつにゃ色々世話かけてんだよ。……付き合ってやんのが筋ってもんだろがぃ。あとで伊勢海老買ってやるから、おっさん。黙ってろぃ」
どこからか「恋愛ってクソだにゃー」と鳴き声が聞こえた気がした。
田吾作のパーツが地面に落下する。
ミートくんかな?
◆◇◆◇◆◇◆◇
ここでようやく、兵伍が動いた。
どうやら満足のいく動画をゲットできたらしい。
久坂家のWi-Fiが爆速だったことが災いする。
「ふふふっ。随分とまあ、景気の良い
「うっせぇ。講釈垂れ流すタイプかぁ? てめぇみたいなのが弱いってのがうちの世界の相場なんだよなぁ!」
「ならば、その認識は今日で終わりだ! 私の眼は二色に変化する。正直、タブレットが誤作動を起こすから使っていなかっただけなのだが。お気に入りの女優さんが別名義で企画ものに出ていなければ、田吾作を苦しめる事もなかった……」
そう言うと掌をバラバラになったミートくん、もとい、田吾作に向けた兵伍。
「私の本来の力は『ネリケシ』だ。その辺に散らばっているものをくっ付けることができる。割とありがちな能力なのは腹立たしいが。おかげで応用も利く。そして陛下に2つ名前を付けられて、しかもどっちもダサい。実際は1種類の力を使い分けているだけなのに、両眼持ちのためにミスリードしといて。多分お前が先陣だから。とか言われた。笑えよ、現世の民。ふふふっ。全部ネタバレしてやった。これが冥途の土産というヤツよ!!」
「そこまで聞いてスキル使わせるってのは、さすがに間抜け過ぎるってもんよ! 俺ぁこれでも70過ぎなもんでね!! 『
ちゃんと基礎スキルも使える辻堂おじさん。
時空を裂いてから硬化させた岩スキル『ストーンバレット』を浴びせる。
「ふふふっ。君たちのスキルは散々拝見した後だ。動画の箸休めにな。『
「むっ! やるねえ! 消し炭にしちまうたぁ! 対応力はさっきの坊主よりも見込みがあらあな!!」
「ああ、言い忘れたが。私は再生属性使いだ。『
ポッキーです。プリッツが親戚です。
お間違いのないよう願います。
わずかに残っておられる女性の観測者の皆様には特にお願いいたします。
これを下ネタとか言い出す輩は穢れた魂を持つおっさんです。
近寄らないようにしてください。
バラバラになっていた田吾作が元に戻った。
考えてみれば、ミートくん状にバラバラになった時点で何かしらのスキルの効果が発動していたと思われる。
人ってバラバラになったら、正視に耐えないグロ画像になるはずなのだから。
「あ゛あ゛!! マジかよ、こいつら!! 聞いてた話と違う!! チャンネーは人妻だし!! オレね、NTRとか言うのだけは無理!! 人のものは人のもの!! じゃあ、チャンネーいないじゃん!! 騙されたぁ!!」
意外と元気そうな田吾作。
(バル)逆神家はちゃんと強い。
ただ、お排泄物なだけで。
ちゃんと強いのだ。
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