第545話 覚悟はよろしくて?

「だから、それがどうしたと言うのですわ。 ハイエルフ? ハイダークエルフ? だからなんなんですの。今この場で重要なのはクロ様の敵か味方かという事だけですわ。そして、貴方達はクロ様の敵……違いまして?」


 わたくし達が飛ばされた所にこの者達が来た時から薄々思っていたが考えない様にしていた事。


 それが彼女の口から放たれた。


 そして彼女が放った敵という言葉をその内容を脳が理解するまでに少し時間がかかった。


 それ程までに信じ難い言葉にわたくしは覚悟する。


 エルフとダークエルフ又はその上位種とされる種族のおいては同種族間の関係を第一とし、その他の関係との間には簡単には覆せない壁がある。


 その関係を差し出してこの反応。


「どうやら、覚悟を決めなければいけまねんわね」

「気が乗りませんがぁ〜そのようですねぇ〜」


 そう言うと私は魔法陣を展開すると魔術と科学の結晶である魔科学兵器を身に付ける。


 全長は役三メートル、その姿は最早ロボットと言われてもおかしくない見た目であり全身白銀に輝く。


 そしてわたくしの相棒でもある楠瀬も覚悟を決めたのかわたくしと同じく魔科学兵器を身に付ける。


 その姿はまるで夜の空を纏ったかのような美しさを宿している黒豹である。


 いくらわたくし達と同じハイエルフとハイダークエルフだとしても科学と魔術を融合し最先端の技術で作られた武器を纏ったわたくし達に敵うはずもない。


 それ程までにこの世界の文明レベルは一目見ただけで分かるほどの差がそこにはあった。


「覚悟はよろしくて?」

「いつでも良くてよ」


 そんなわたくし達の装備を目の当たりにした相手のエルフ達は表情一つ変えず、寧ろハイエルフに至ってはわたくし達の装備や武器を品定めするかのような視線を送った後ほんの一瞬だが見下したような視線を向けていたのを見て取れた。


 そしてわたくしはそんな彼女に今から攻撃される覚悟を問うたのだがその答えは予想通り余裕に満ち溢れた答えが返ってくる。


「後悔しても知りませんわよっ!?」


 ハイエルフからの言葉を聞き終えたわたくしは戦いの火蓋を開ける。


 それと同時にわたくしは身体の左右十二銃の、大きさや威力、追加効果など様々な魔弾銃を展開すると一気に撃ち放つ。

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