第394話ここまで来れば普通に不愉快である
もちろんキンバリーやスフィアにターニャ、楓にルル、そしてアルの分もである。
そう考えるとプレゼント選びは中々難しそうである。
因みに国営などは今まで通りセバスチャンに任せているから大丈夫だろう。
「よう兄ちゃん、オカマみたいな格好からしてお前オカマだろ? ならお前と一緒にさっき来てたネーチャン達を俺に寄越さねーか? 何、悪い話じゃ無いさ。お前には後で金貨一枚やろう。な?」
「はあ……」
しかし、ここは異世界である……いや日本では無いと言った方が良いのだろうか?
隙を見せれば盗人や詐欺師その他諸々の餌食になるのは日本以外の国々では致し方無いと思う。
なぜなら、それもこれも全て自分の責任と言えるからだ。
まず、女性陣と別行動をし今一人な事、そしてランクアップの為店員との会話を聞かれていたとしたら今の自分がEランク成り立てと分かってしまう事を考えればそっちの住人からすればただのカモであろうと容易に分かるからである。
加えてこの外見である。
確かに今でこそ日本では男性の長髪は珍しくも無いのだが、それでも働くにあたり『男性は短髪であるべし』と男女平等を謳いながら多くの企業がそうなのである。
ならばこの世界において長髪というだけでオカマだと言われても仕方ないのかもしれない。
と言うか化粧しなくても普通にナチュラルメイクを施したビジュアル系ロックバンドの一員で通用しそうだと自分でも思う。
これが元の顔ならば普通にキモいオッさんである辺り悲しいのか嬉しいのか複雑な気分ではあるが。
「じゃあ商談成立って事で良いな?」
「いやいや、ちょっと待って下さい。彼女達は私の妻と部下、養子に奴隷です。例え金貨を何枚積まれても渡すつもりはありません。ですのでお引き取り下さい」
しかしだからと言って彼女達を渡すつもりなど毛頭なく、若干の怒りを覚えながらも表には出さずやんわりとだがしっかりと断る意思を告げる。
そしてもちろん相手は金貨を渡す素ぶりすら見せない。
「あ? お前今の自分の立場分かってんのか?」
そして想像通りの返答である。
前世でもそうなのだが、どうしてこう民度の低い者達と言うのは脅せば、クレーム付ければ思い通りになると思っているのだろうか?
ここまで来れば普通に不愉快である。
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