第368話何が何でも勝たせて頂くつもり

 その亜人種三人娘にスフィア・エドワーズ姫は元から此処に来る事が分かっていたのか別段驚いていないようでスムーズに亜人種三人娘を空いているソファーえと誘導して行く。


「………誰ですか?」

「ああ、彼女達はクロ・フリート様のお弟子さん達ですね。 今日の試合を見学に呼ばれたみたいなので此処に来る事になっておりました」

「弟子までいるのですか……さぞ強いのでしょうね。 是非私もどう鍛錬すればあの様な強大な魔力を手に入れれるのか教えて貰いたいほどです……って、試合って!? 誰か闘うのですか!?」

「誰かって……何もお聞きにならなかったのですか? ……実はですね、今日このバルコニーから一望できる辺り一面森林のフィールドを使ってクロ・フリート様の婚約者全員対セラ様の婚姻承諾をかけての一試合行われるんですよ」


 そんな亜人種三人娘が誰なのか問いかけると彼女達はクロ・フリートの弟子であるという返答に加え聞き逃せない内容が返って来た。


 間違いなく人族であるクロ・フリートの婚約者とあのセラとかいうクロ・フリートの配下が今から目の前に広がる広大な敷地内で闘うと言うのである。


 あの化け物と闘うと言うのだから驚かないわけがない。


「クロ・フリートの婚約者は私達と同じ人族でお前の国の住人だった人なんだろ? 人数こそお前入れて七人だたと思うが、何百何千もの人を集めて来ようとも勝てるとは到底思えないのだが……」

「確かに、セラ様には何千どころか何十万もの兵を集めてでも勝てないでしょうね」


 私が思った疑問をガーネットが代わりに口にしてくれる。


 思った事をすぐに口に出してしまうガーネットは、いつもならば空気を読ん欲しいと幾度となく思うと同時に殴りたくもなるのだがこの時ばかりはグッジョブと言いたい。


 そしてスフィア・エドワーズ姫から返ってきた言葉は我々がいくら束になっても勝てないだろうという、実際セラと対峙している為分かっては居たのだが信じたくはないものだった。


「ですが、イルミナ様じゃないだけまだ勝機はありますし、クロ・フリート様直属であられる配下の一党であるセラ様に認められなくては婚約者としてクロ・フリート様の配下の方々に顔向け出来ませんのでここは何が何でも勝たせて頂くつもりです」



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