第285話並々ならぬ努力をして来たに違いない
「ああ、これは攻略サイトを確認したり、初見の相手の場合一通り闘い、その経験と後日掲載される攻略サイトと比較したりだな………まぁ……簡単に言うとそう言うのを毎日発行しているところが俺がいた故郷にあってだな……後はひたすら狩って慣れて来た」
口で言うのは簡単だが、クロが言う事をやろうと思ったら命が何個あっても足りないだろう。
飄々としている表情の裏では並々ならぬ努力をして来たに違いない。
私も自分自信に才能がある事にはある程度気付いた上で努力を怠らなかった。
だがしかしそこには目に見える自分の成長に楽しさを抱いていたのも事実である。
クロの場合自分自信の成長を感じるのも生温いと言える、努力をせざるを得ない状況にさらされ生きて来たのだろう。
「だから、これからは私がその背中を護って行きたい」
クロには聞こえない声で呟く。
クロには既に幾人もの配下がおり、側近と言える程の実力者もいるのはノクタス支部から流れてくる情報と、楓から聞いた話から知っているのだが異性としてもクロと歩みたいと思ってしまう。
「着いたぞ。ここから四時の方向十キロ先に亜竜がいるみたいだ」
ちなみにここまで来る間にクロと私の役割が代わり、今は私が前衛でクロが後衛に入れ替わっている。
そしてそこでも十キロ先の対象を発見するという、相変わらずクロのデタラメな能力に驚かされっぱなしである。
「…………いた」
森を抜け、クロに言われた方角をスキル【遠望】を使い眼下に見下ろしてみる。
すると岩だらけの景色の中に溶け込む様にそいつは確かにいた。
しかし今現在運悪く亜竜の風上にいるため既に私達の事に気付いているみたいだ。
そして聞こえる亜竜の雄叫びが空を割り雲がその周辺だけ消える。
あたりにはその衝撃で岩が砕け私達の所までその余波が衝撃になって襲って来る。
そして自分よりも倍以上はある翼を広げ一気に跳躍すると雄叫びをあげながらこちらに向かって来る。
「翼……クロ!! あれは亜竜ではありません!! ワイバーンかドレイクだと思います!!」
「ぱっと見では亜竜の一種に見えるがワイバーンよりも鱗の形状からドレイクの亜種っぽいな」
通常亜竜には翼は無く巨大なトカゲの様な姿をしているのだが、その上位種にワイバーンとドレイクという二種がある。
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