第225話正論で返され言葉に詰まってしまう
「お前は数百年間生きてきたみたいだが何を学んで来たんだ?対人戦で一番気を付けなくてはならず、また重宝されるのは高スキルや高段位魔術ではなく低スキルや低段位魔術を複数組み合わせることによるロックもしくは固め殺しだろうが」
男性のその言葉は今ままでの「相手よりも強いスキルや魔術を使えたほうが有利」という常識を覆す発言であるのだが、一体何処を探せば全てのスキルや魔術の追加効果を理解できている者が存在すると言うのだろうか?
正真正銘……ブラッドなんか足元にも及ばぬ程の化け物
そう思わずにはいられない。
「さて、ヴァンパイアさんよ……お前に一つ聞きたい事があるんだが……」
「何でも話すっ……だ、だからもう許してくれっ……帝国も潰さないっ!欲しい物があれば何でもやろう!!皇帝の座でも何でもだ!人間も見下さない!だから命だけはどうかっ!」
「黙れ…俺はお前に聞きたい事があると言っているのが聞こえなかったのか?いちいち命乞いするな。それにお前を許す許さないは俺じゃない」
「わかりました!何でも聞いて下さい!!」
もはや目の前の男性に媚へつらうブラッドからヴァンパイアであり真祖と言う威厳もプライドも見られない。
それ程までにブラッドは目の前の男性に徹底的に叩きのめされていた。
ブラッド自身ここまで強く死というものを身近に感じさせられ植え付けられては最早抗うという感情はなくなっていた。
「ノクタスから近場で比較的に魔術が発展している場所はどこだ?」
「ノクタスでしたら……ベルホルンかと思います!はい!」
「そうか…ギルド職員もそう言っていたし確信がもてた、ありがとう。ちなみお前の待遇だがそうだな……そこの兄さんに決めて貰おうか」
そう言うと男性はコンラッドにブラッドの処遇を丸投げする。
しかし丸投げにされたところで自分には扱いきれぬ案件である為到底受け入れられるものでは無い。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!流石に俺にはこの方の処遇を決めるのは重たすぎる!!」
「ほう、君はそれ程の案件を俺に丸投げしようとでも言うのか?帝国の人間ではない他所者であるこの俺に」
「……っ、」
流石にこれ程の事を自分で決めるには重すぎるため断ろうとしたのだが件の男性に正論で返され言葉に詰まってしまう。
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