第129話金髪美形の青年

 そして俺は今レニア達の授業が終わるまで学園都市の図書館にて読書をしていた。


 最早日課になっていており、レニア達が昼食を終えるとここまで迎えに来てくれるようになった。


 一応最初の方はレニア達が昼食を終えたらタブレットでメールによる連絡をし、それを確認してから学園まで向かって居たのだが一週間ぐらいでメールせずに直接迎えに来てくれるようになっていた。


 それは良いのだがここ数日俺が図書館で読書をしていると、決まって金髪美形の青年が来るようになっていた。


 それだけなら何も問題無かったのだがマップで確認すると彼を示す点が赤くなっているので毎回警戒するのだがいつも何かされる訳でも無く1日が終わる日々がつずいている。


 しかし警戒はして損は無いので自分とレニア達、そしてサラに結界魔法を常に展開するようにしている。


 いるのだが、流石に見られながら読書は集中出来ないのでそろそろ我慢の限界が来ているのでちょっと小細工をした上で話かける事にする。


「ちょっと話しないか?」

「……………」

「いいよな?」


 例の青年の肩に腕を回して半ば強引に座る。


 その青年は顔中に脂汗を流し始め、顔が真っ青になっているのだが、俺が逆の立場なら間違いなく同じ反応をすると思える程今の俺はウザい奴なのだろうと少し相手が可哀想に思えて来るのだが、辞めるつもりは毛頭無い。


「ここ最近ずっと俺の事を監視していたよな?」

「……ま、まさか!俺はずっとここで調べ物をしていたんだっ!」


 俺の問いかけに焦りを隠そうともせずそう答える青年。実に良い返答だと思う。


 この場合、俺がなんらかの対策をして近ずいてきたと思うのが一般的であろう。


その点に関しては当たっているが、この青年は多分俺が『嘘を見極める何らかの対策』をしてきていると思っている事が先ほどの青年の言葉から伺える。


『調べ物をしていた』


 そこに嘘偽りは無いだろう。この図書館の書物で調べれるものなのか、この図書館にいる事で調べれるものかの違いはあるのだが。


 彼が本当にそこまで考えての発言かどうかは分からないのだが疑って損は無い。


「ふむ、で…その調べ物は、ジャンル的には見当も付かないので俺に教えてくれないか?」

「み、見れば分かるだろう?母が病に倒れてね、市販の薬では交換が薄いらしく、こうやって特効薬になる植物はないかと調べていたんだよ」


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