第111話私のナイト様って感じで惚れ直したぐらいよっ!
「美味しいわよ」
「……確かに、飲みやすいですね」
「で、この状況でも貴方はシラをきるのかしら」
「……すみません」
「いえ、別に謝らなくても良いのよ?私とアーシェは知り合いですもの。で、いつも貴方の事を耳が取れそうな程聞かされてたからアーシェの魔力で付けられた探知繊維を見て、アーシェならやりかねないと思ったのよ。アーシェが敗れた事にはびっくりしたのだけれどもあのアーシェが「お兄ちゃんには敵わない」といつも自慢してたしね。ずっと妄想か何かだ思っていたのだけれど本当に存在していたとわ」
そう言うとアンナは微笑みながら、レニアにクロについて語っているアーシェを見つめる。
「ほぇー…お師匠様はあの死者の眠る闇黒の迷宮を二人で最深部まで行かれたのですかっ」
「ええそうよ。あの時の私はまだまだヒヨッコで冒険者ランクもBレベルだったのだけどそんな私を護りながら迷宮に出てくる敵を屠って行く様はまさに私のナイト様って感じで惚れ直したぐらいよっ!」
レニアも目を輝かせながら聞いているのだが、アーシェの語るクロの話は盛り過ぎている所もあり誇張して言うのは辞めてもらいたい。
ちなみに死者の眠る闇黒という迷宮は、ギルティ・ブラットにある高難易度のダンジョンの事なのだが、レベルをカンストさせ、装備を固めればソロクリアも楽にできるため、レベルが低い仲間を一緒に連れて行き仲間の経験値を稼ぐ為の場所みたいな扱いをされているダンジョンの事である。
中にはプレイスキルを上げるたに何の装備もせずソロプレイするプレイヤーもいるのだが、俺もその一人だったりする。そういう性癖たかではないとだけ言っておこう。
「ところでアンナさん、アーシェがこの学園にいるのってマズいんじゃないんですか?」
「私の古くからの親友がいるだけですから何も問題は無いわよ。それにこの学園都市は所有国こそ帝国ですが、学園内は何処の国にも属していないの。だからこそ様々な人が集まり、様々な技術を学べる場でもあるの」
親友ね…
アンナから発せられたこの言葉に嘘偽りを言っている感じは見受けられなかった。
魔王ですら親友と言える人材だからこそこの学園の理事長になれたのだろう。
「ところでアンナ、娘のサラはあれから大丈夫かしら?」
「そうね、一応大丈夫みたいだけれど貴女のことは未だに虎馬みたいよ?あのサラが冒険者を引退すると言ってギルド職員になるくらいだもの」
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