第55話我が儘を言っては行けません


「では、俺は城の中に入るがお前たちはそのままここで待機し、攻撃の意思がある者のみそのまま鎮圧をしていてくれ」

「わ、私もついて行くっ!」

「こらルシファー! 我が儘を言っては行けません! 嫌われますよ?」

「…むう……わ、わかった」


 クロの命令に納得いかないのかルシファーがクロについて行こうとするのだがそれをセラがたしなめる光景を見て微笑ましく思う。


 そのクロの表情を見てセラとルシファーが顔を赤らめクロに見とれているのだがそのことにクロは気づかないでいた。


「気持ちは嬉しいんだが、ここからは危険だから俺一人で行かせてくれないかな?」

「だったら尚更ついて行きます!」

「ルシファー、クロ様は私たちの身を案じておいでなのです。我慢しなさい。それに私たちを同行させないという事はクロ様にとってその程度でしかない敵なのでしょう。私たちが行けば足でまといになるのかもしれません」

「そういうことだ。それにもし無事に帰って来れたら俺が出来る範囲で望みを一つ叶えてや「待ってます!」…るさ」


 ただ向こうの魔王と一体一で話がしたいだけなのだが話をややこしくしたくないためセラに同意するのだがクロが言い終える前にルシファーがクロにくい気味で答え若干のけぞるクロ。


そのルシファーの目には結婚という二文字が浮かんでいる気がするのだが見なかったことにしよう。


「そ、それは私の望みも…その…」

「ああ、もちろん叶えてやる。特に側近であるお前たち四人は今まで世話になったからな」


 ルシファーはまだ周りと比べれば新入りなのだが使用頻度が高いキャラであった事には変わりなく、共に攻略したクエストなどを懐かしく思う。


 今思うと本当に色々あった。


その出来事一つ一つが走馬灯のように脳裏に浮かんでくる。


「なるべく早く帰って来てくださいねクロ様」

「ああ、善処するよ」


 そしてそう問いかけて来るセラの目にはピンクのモザイクが見えるのだが気のせいだろう。意外とむっつりスケベだったとは。意外である。


 そしてバハムートからも期待の眼差しを向けられ、アイコンに浮かんできたメッセージを開けば『話は聞きました。


ウィンディーネ』とウィンディーネからメッセージが来ていた。なにこれ?怖い。


 まあここまでは分かるのだが、何故かボストンまで期待の眼差しをこちらに向け、その目には酒と書かれていた。

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