思い描く世界へ

じろー

プロローグ

「きょーくん起きて〜。」

可愛らしい妹の声にすんなりと起きた俺は、

「また同じ朝だ...」

独り言を呟いた。




この日本で平和に過ごせると思えば、何故か同じ日がループしていた。

今は31回目でそろそろきつくなってきた俺は、このループから抜け出せるなら何が起きてもいいと思っていた。

全て同じようにループしているこの世界で、この現象に気づいているのは俺だけ。

学校で話しかけてくるやつも、全員同じことしか言わねぇ。

神様、どうすればいいんですか...。


学校へ行く途中、何故か今までなかった事が起きた。

どこかで運命を変えてしまったのか、猫が急に道路へ飛び出して行った。

走るトラック。

何を血迷ったのか、俺はそのトラックから猫を守るため道路へ飛び出した。

どうせならここで異世界とかに行けたらいいのになぁ...。


ドンッと鈍い音がした。

1発で死ねたら楽なのにまだ意識があった。

だが、少し冷えてきた。

このまま死ぬのか...。

そう考えていると、急に痛みが無くなった。

そして、目の前には、それはもう美しい姿でまるで女神のような女性がいた。

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