第11話 国と国の狭間で2 愚かな盗賊たち
これはとある国に向かっているときのお話です。
いつも通り相棒のジープを走らせておりました。窓を開けると勢い良く風が舞い込んできます。
今日はいい天気ですね。辺りは右側が山、左側が川と自然感あふれる所を走っております。今回は迷ってはないですよ!普通にここは正式なルートです。よくわからない所に人が倒れています。どこぞで見たことのある顔でした。
「おお、いつぞやの大金貨泥棒。助けてくれ!」
私は無視してそのまま走ります。後ろからすごい声がします。
「待ってくれええれれれえええ。」
ハイハイ待ちますよ。ジープを止めて振り返ると卵主催者さんがおりました。懐かしいですね。
「何があったんですか?」
「聞いてくれるのかい?、、、」
「聞くだけなら。」
「この先には危険な盗賊たちがいる。そいつらに襲われて荷物を奪われたんだ。図々しいのは理解しているが荷物を取り返してはもらえないだろうか?」
「国境警備隊にお願いすればいいじゃないですか。」
「連絡手段がないです。」
あ、そうでしたね。泣きそうな顔でこちらを見てきます。男の泣き落としって、、、。
「わかりましたよ。どの道私もここを通ります。乗ってください。」
「ありがとう。」
なんと傲慢にも助手席に乗ってきました。対角線上に乗ってもらいました。
しばらくジープを走らせていると山城が見えてきました。なかなか大きな茶色いお城でした。
「あれです。あそこに盗賊たちがいます。気をつけてください。」
「???あなたは行かないんですか?」
「装備なにもありませんので。」
「取り敢えずジープから降りてくて下さい。」
「はい、、、。」
かなりすんなり降りてくださいました。何か狙ってるのでは?
するとぞろぞろと盗賊っぽい人たちが降りてきました。
「なんだよ。また来たのか。今度は荷物誰ではなく命も取られたいみたいだなあ。」
「お、連れのお嬢ちゃんべっぴんさんじゃねー?」
「確かに。そいつが手見上げか?」
何言ってるんですかね?この人たち。
「そ、そうです。だから命だけはご勘弁をーーー!」
この人もなに言ってるですかね???
「あなた最低ですね。ホントに何しに来たと思ってるんですか?」
そう言い私はレイピアを抜きます。
「どこからでもかかってきてください。」
盗賊たちも剣を抜き一斉に襲い掛かってきました。ぎゃあ怖い。
私は盗賊たちの剣をさばきながら無力化させていきます。
麻酔針が飛んできました。それを弾き飛ばし撃った人の首をトンッとします。これ実際に気絶しますから気を付けてくださいね?
しかし数が多いので主催者さんが捕まってしまいました。狙い通りなんですけどね。ざまーと思ったのはここだけの話ですよ。
「おいお嬢さんこいつがどうなってもいいのか。」
ざまーとは思いましたが私は状況が悪くなったら見捨てるどっかの誰かさんとは違いますのでちゃんと助けますよ。
「わかりました取引をしましょう。ここに私の全財産を置いておきます。なので主催者さんを解放してあげてくださいませんか?」
「いいだろう。財布ごとその切り株にゆっくり置け。そうすれば解放してやる。」
いわれるがままに私はお金を置いておきます。そして私はこう質問してみました。
「このお金どういう感じに分けるんですか?」
すると盗賊たちは全員顔を見合わせ
「全員平等に当分だろ。」
「いやいや俺が捕まえたんだし俺が一番多くもらうべきだろ。」
「いやいやいや1回目そいつを捕まえたのは俺だぞ。俺だって多くもらう権利はある!」
「いやいやいやいやここはリーダーの俺が一番多くもらうべきだろ。」
「いやいや、、、。」
「いやいやいや」、、、。
盗賊初心者によくあることらしい仲間割れですね。長い口論の上でようやく決まったみたいですね。しかし私が何の計画もなしにただただお金を渡す人間だとお思いですか?そんなわけありません。ちゃんと策を用意していますよ。
「あれあれーこんなところにまだお金がありました。さっきの倍ぐらいありますよお。」
「それもこっちに渡せ。お前を捕まえることはできなくてもその男を捕まえることはできるからな。」
「わかりました。切り株に置いておきますね。」
そしてさっきの質問をします。
「このお金どういう感じに分けるんですか?」
「さっきは妥協してやったんだ。今度こそ俺が一番多くもらうべきだろ。」
「いやいやお前は何もしてないだろ。俺は捕まえたんだぞ。」
「いやいや俺が一番多くもらうべきだろ。」
今度は口論ではなく殴り合いにありました。さっきですら殴り合いになりそうだったのに倍のお金だったらそうなりますよね。バタバタと盗賊たちは倒れていき最後の1人になるまで待ちます。
「やったー。勝ったぞー。」
そう喜んでいる盗賊さんに私は後ろから首をトンっと叩き気絶させます。ミッションコンプリートですね。取られたお金と主催者さんの荷物を全て回収します。
「やったー。ホントに戻ってきたんだ。」
「あなた最初私を売ろうとしてましたよね???」
「ひーーーい。お許しを。これこれをあげますから。」
それはいつぞやと同じ大金貨1枚でした。
「仕方ありませんね。これで手を打ちましょう。」
二兎を追う者は一兎をも得ずという証明もできましたしね。これ以上に欲をかけば私もすべて失ってしまうかもしれませんので。ホントに愚かな盗賊たちでしたね。
私は盗賊たちが起きる前に早々とジープに乗り込みエンジンを踏み込み走らせます。
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