第8話 憧れた人に近づきたくて[前編]
やあ!みんなこんにちは!こんばんわ!初めまして!俺の名前はシュテルよろしく。え?お前誰だよって?まあまあそれはこれから語るとしてだ。俺少し前は競争の国レイザーというところでカーレーサーをしていたんだがある人のおかげというべきかせいというべきかわからないが今は葬儀屋をしている。これは俺が葬儀屋なるきっかけになった話だ。
いつも通りジープを走らせては実は労働基準法違反しているのでは?と疑い始めた葬儀屋のラディアです。まあ仕事は自分が入れてるんですけどね。どうもお久しぶりです。はじめまして!おはようございます!こんにちは!こんばんわ!取り敢えずすべてのあいさつをしていきます。
さて今回の豆知識コーナーは私の仕事についてですパート2。
今回は私に仕事が回ってくるまでの話を語りましょう。前は仕事の内容だったので。
葬儀屋に依頼をするまでの経緯
1、遺族の方々が依頼書を葬儀屋連盟に送る。
2、葬儀屋連盟が依頼書を確認次第葬儀屋に送る。
3、葬儀屋に依頼書が送られて依頼主様のもとに向かう。
とまあこんな感じです。いかかでしたでしょうか?葬儀屋はかなり珍しい職業でして(そうじゃなかったら私がジープを走らせている必要なんてないのですが)資格を取るためには難しい試験を受けなければなりません。そういったことは別の機会にお語りしましょう。
なんて話してたら国についてしまいました。今回の依頼は競争の国レイザーというらしいですね。競争の国なんていうのですから騒がしそうですね。私はそんなことを考えながら入国審査を行います。今回もあっさりと入れました。前世ではこんなにあっさりと入れないので逆に怖いと毎度のこと思っている次第であります。
依頼書を見る限りでは依頼主様は父と子の二人暮らしだったみたいですね。父の方は30代後半で子の方は私と同じくらいの年ですか。子の方からの依頼ってことは父の方が亡くなったということですね。今は一人ですかなんだか今の私みたいです。寂しくないですよ。
・・・。取り敢えず依頼主様のもとに行くとしましょう。
住宅地の真ん中よりも少し奥の方に依頼主様の家がありました。大き過ぎず小さ過ぎずこの国の標準的な家でした。まあ一軒家を都市に建てられるだけすごいですが。王様とか貴族の葬儀が多かったからって麻痺してはいけませんよ。
こんな事を思いながら私はチャイムを押します。しかし出てくる気配が全くありませんでした。留守なんでしょうか?私は腕時計を見ます。約束の時間ピッタリでした。あれ?時間は間違えるはずないんですが、、、。
取り敢えず観光でもしますかといい観光案内所に向かいます。かなり大きなレンガ造りの建物でした。決して仕事をほったらかすわけではありませんよ。
「あの、ここでお勧めの観光名所ってありますか?」
「はい!この国ではカーレースは外せないですね。」
「賭け事ですか?」
そう問いかけると少しおかしそうに笑いながらこう返してくださいました。
「いいえ。違いますよ。観戦です。ですが見るだけでも迫力があって面白いですよ。」
賭け事もあるらしいですが、賭け事をすると先頭しか見なくなってしますのでやる人は少ないらしいですよ。あと1レースが長いという理由もあるらしいですが。
「なるほど。行ってみます。お店とかはどうですかね。」
「そうですね。カーレースを楽しむ喫茶店やカーレーサーの服装ができる洋服屋がありますね。」
この国はカーレース大好きの集まりですか、、、。カーレースを楽しむ喫茶店って絶対居酒屋ですよね。野球の居酒屋みたいな、ファンと集まる場所ですよね。
「と、とりあえず行ってみます。」
大事なことなのでもう一度言いますが仕事をほったらかすわけじゃないですよ。私はスキップをしながらジープに乗り込み観光案内所を立ち去りました。
「最近、チャンピオンが事故で亡くなってしまってねえ。その息子が最近デビューしたんだけどやっぱり親子なのね。すごい勢いで順位を伸ばしてるの。」
となぜかわかりませんが知らないおばさんはに話しかけられました。えっとだれ?
でも興味深い話ではありますが、、、。
するとレーサーたちが出てきました。一番最初に出てきたのは白髪に黄色の目をした青少年でした。周りからは歓声が飛び交います。あまりの盛り上がり具合に思わず息を吞んでしまいました。ホントすごい歓声ですね。
「ほら。あれよ!今期待のシュテルくんよ!あなたも好きでしょ?」
「え、、、今日初めて見たのでよくわかりません。」
「またまたー。あなたみたいな隠れファンも最近多いのよね。」
・・・。この人話聞いてませんよね。初めて見るんですけど。絶大な人気ですけれども。ファンって何回も見たりする人のことじゃないんですかね?そうじゃない考えもあるかもしれませんが初めて見る人のことをファンとは言いませんよね?
おっとそんなことを考えているとレースが始まってしまいました。
私にカーレースの良し悪しはわかりませんが確かに速いですね。かなり危険なプレーも多いですけど。ルールがいまいちわからなかったですが中々楽しめました。
シュテルさんのレースが終わったみたいですね。恐らくシュテルさんが依頼主様だと推測されます。同い年に見えますからね。でもすごいですね親子揃って有名レーサーだなんて。将来期待大ですね。
私は先に家に行って帰ってきたシュテルさんに話しかけました。要するに待ち伏せですね。次ぎ会えるのはいつになるかわからないので。しかしシュテルさんの反応は素っ気ないなんてものではありませんでした。
「取材なら今度にしてくれない。」
「あの、取材じゃなくて。」
「インタビューも今度にしてくれ。」
「インタビューでもなくて。葬儀屋なんですが。」
やっとドアを開けてくれました。インタビューって家でやるもんでしたっけ?
「ホントに葬儀屋なのか?」
失礼ですね、、、。でもこんなの慣れっこですので態度を崩さずに。
「依頼書の方確認してください。」
そういい私は依頼書を取り出しシュテルさんに見せます。
「ホントだ。ごめんごめん。急なレースが入ったからな。」
用事のノリで言わないでほしいですね。居なかった理由には納得しました。
「取り敢えず上がってくれ。」
私はシュテルさんの家の中に入ります。散らかっていてホコリのかぶった部屋でした。
「依頼は俺の親父の葬儀なんだ。」
「ええ存じております。」
「まずは俺の話を聞いてくれるか?そしてこの話をある人たちに伝えて欲しい。」
こうしてシュテルさんは語りだします。あっさりとしていても悲しいお話でした。
この国は名前の通り競争が好きな国でそれを見るのも好きな人が多いそうです。その中でもカーレースというのは迫力もありかっこいいという理由で物凄く人気が高くカーレースで上位の成績を取れば何十、何百金貨が手に入るそうな。そしてシュテルさんの御父上はこの国のトップレーサーでした。名前はライラン。そしてシュテルさんの目標はそんな御父上を超えることでした。
しかしある日のレースで状況は一変します。そのレースは競争の国レイザーで一番速いレーサーを決める大会でした。当然のことシュテルさんの御父上のライランさんも参加します。国中の人がそのレースを見るために会場に足を運びます。会場中が熱気に包まれます。
「シュテルしっかりと俺の走りを見てるんだぜ。」
それがシュテルさんが聞いた最後の言葉だったそうです。レースは接戦になります。
ライランさんは最終レーンで2位でした。その前のレーンでは19位だったのに。そして1位との差は目と鼻の先でした。
当時1位だったカーズ選手はとても焦りました。ライランさんとは長年に渡り親友でありライバルでした。しかしいつでも勝てたことがありませんでした。
初めてしかもこんな大舞台で勝つことができるなんてこれ以上にない喜びだったでしょう。なので驚異的な速度で追いついてくるライランさんに焦ったことでしょう。
ここでカーズ選手は焦りゆえなのかレース中判断が鈍ったのかわかりませんが愚行を犯します。詳しいことはいまいちわかりませんがカーレースでは追い越されようと車両が順位を守るために進路を変更した後再びレーシングラインに戻る際には自身とコースの端に少なくとも車体1台分の幅を開けなけえばならないのですがそれをやりませんでした。
それどころかコース外に押し出すような幅寄せをしたそうです。そのせいでライランさんの車体のコントロールを失い壁に激突しました。車体はあっという間に火の海になりました。なんともあっけない英雄の最後でした。
「結果俺の親父は帰らぬ人となった。レーサーは一つのミスあ命取りになるということは親父だってわかっていた。妨害だぞ。許せないよ、、、。」
「お辛い中話していただき誠にありがとうございました。」
「葬儀は3日後だけど止められる部屋がないからこの国の大きなホテルに止まるといいよ。お金はもちろん俺が出すからさ。」
「・・・。ありがとうございます。」
私は日取りや葬儀屋としての仕事内容などを決めた後ホテルに向かいました。高層マンション並みの大きさで地上47階、地下8階でした。うわあ。お値段高そう。
私は朝ふかふかのベットの上で目が覚めました。朝ご飯はご飯と味噌汁、塩魚等々日本食でした。しょっぱい。本当に日本食って体にいいのかなと疑問に思ったのは秘密のことです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます