2 文明って、どんなもの?

人類は、文明によって発展してきました。

文明とは、高度な技術をもった社会生活のかたちです。

高度な技術は生活を複雑にし、高度な政策も必要とさせるので、

高度な技術と政策を伴う生活様式であるともいえましょう。


以下は、私見〝文明の星〟理論(仮説)による説明です。

興味のある方は、他の作品もご覧いただけたら幸いです。


文明活動は、個人の活動と同じく、

どうなっているか〝知る〟科学・技術、

どうすべきか〝決める〟制度・政策、

実際に〝行う〟経済・社会活動からなっています。

(以下において技術、政策、社会と略すことがあります。)


社会は、生きるために必要なもの、

すなわち富(財、あるいは資源)を、

作って分けることで営まれます。

文明活動でも、そのことは変わりません。


技術は、自然から富を得て、社会を豊かにします。

政策は、人間同士で富を分けて、社会を健全に保ちます。

その政策の中には、新しい技術の

開発・普及を助けることも含まれます。


しかし、技術は物的資源(モノ)に具現化されないと、

社会を豊かにできません。

政策は人的資源(ヒト)により実現されないと、

社会を健全に保てません。

政策が新技術の開発・普及を助ける時は、

資源や文化など、自然・社会環境が影響します。


図:https://19084.mitemin.net/i398818/


以上の関係を図示すると、上図のようになりますが、

こうしてみると面白いことが分かります。

政策が社会の健全性を保つ経路ルートは1つではなく、

下図のように4つ、考えることができるのです!


図:https://19084.mitemin.net/i307611/


(実は技術も、これと全く対称的な形で、

4つに分類することができるのですが、

そちらも含む詳細は、『文明の星』などをご覧ください。)


第一は、社会に直接働きかける〝直接ルート〟です。

それは、人々の利害関係をじかに調整する、

産業政策や社会保障などの経済・社会政策です。


第二は、必要条件を整備する〝間接ルート〟です。

それは政策実現に必要な人的資源の確保を助ける、

人的資源(保健・教育)政策です。


第三は、広い意味では自らも社会活動の一部である、

政策自体の健全性を保つ、〝自助ルート〟です。

それは政策の企画・実施を助ける、行政管理政策です。


第四は、同じく社会活動の一部ともいえる技術と、

政策の間における〝互助ルート〟です。

それは技術の開発・普及を助ける、技術的政策です。


以上の順番を、内容が分かりやすいように並べ替えますと、

技術的政策は富の生産(安全含む)に関わる政策、

経済・社会政策は富の分配(再投資含む)に関わる政策、

人的資源政策は富を作って分ける私達、

人間自身の向上(支援含む)に関わる政策、

行政管理政策は人間の活用(協力含む)に関わる政策である、

いうことができます。


もっと簡単に言えば、〝(富を)作って、分けて、

(人を)上げたら、活かす〟ということです。

政策とは、富を分けることには違いないのですが、

何のために分けるかで、4つに分かれるのです。


税金などを集めて、技術の健全な開発・普及や、

健全な経済発展と社会的助け合いのため、

あるいは人々の健康や教育、

行政自体の健全運営のために、富を分け直すのです。


またここで、人を上げて活かすというのは、

人々の健康や教育という最も重要な富を、

作って分けることである、と言い換えることも

できると思います。


国や自治体といった一般行政組織では全て、

こうした政策を行っていると思います。

会社などが資金を得て事業を行う時の決定も、

広い意味では社会的な決定、政策だといえましょう。

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