第52話 身支度

もうちょっと!10万字頑張る!


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次の日。


身支度を整えていると優月に声をかけられる。


「…あれお兄ちゃん?今日も出かけるの?」

「あー、まあな…」


俺もまさか今日も外出することになるとは思っていなかった。


なんか昨日はお手軽な感じで出かけたのだが、今日は無駄になんか緊張してしまっている。


「二日連続で外に出るなんてものすごく珍しいね。…雪でも降るかも」

俺もちょっとそう思ってるよ。



妹は俺の様子がちょっと変なことに気がついたのかニヤッと笑うと

「もしかしてデート?」

なんて聞いてくる。


昨日は聞かなかったのにどうして今日は聞いてくるんだ…。

そんなに態度に出てしまっているだろうか?


「あー、デートではないと思う。多分」

「ちなみに男の子と女の子が一対一で遊びに行くのはデートだよ?」

「じゃあデートです…」


自意識過剰なだけだと思う、多分。でも俺にはちゃんと判断がつかなかった。

いや、でもそんなことあるかなぁ…。



優月が背中を肘で突いてくる。

「お兄ちゃん、やるねー!ようやくお兄ちゃんらしくなってきたんじゃない!?今日もコーディネートしてあげようか?」


俺らしくなってきたってなんだよ…。中学の時そんなんじゃなかっただろうが。


「いや、いいよ。昨日教えてもらったから」

俺は念の為、失礼がないように今日もしっかりおしゃれをしていくことにした。


しかし本当にこれ、デートになるのだろうか?

今日は大雑把にしか予定が決まっていないがランチを一緒に食べて、午後どこかを回ってみることになった。


ランチは水城先輩のおすすめのお店があるのでそこに連れて行ってくれるらしいがそのあとは特に決めていないので、ランチでも食べながら決めようという話になった。まあ、言ってみれば完全なノープランなのである。


…もしこれが本当にデートだとしたら、どうなんだこれ?

行き当たりばったりすぎると思う。


「そういえば話は変わるけど、さっき私のところに楓ちゃんから連絡があったよ。今度の3連休に遊びにくるって改めて連絡があった。お兄ちゃんのところにも連絡あったんでしょ?」

「ああ、あったな。この間優月にも話した再来週の話だろ?母さんたちにもとっくの前にもう言ってあるし」


楓と七瀬、それから轟がこっちに遊びに来るらしい。そして俺と優月も含めて観光地をめぐる予定になっている。実は俺も優月も割と近くに神社など有名な観光スポットがあるのに越してきてからも全然観光地に足を運んでいなかった。

これを機会に観光をしてみるつもりだ。


みんなだいぶ久しぶりに会うのでちょっと緊張するけど、楽しみでもある。


最後にあってから半年以上経ってるからな…。

それに轟に関しては俺が少林寺辞めてからあっていないから1年ぶりくらいか。


ちなみに優月は俺と違ってこっちでも少林寺拳法を続けていたので、轟にはこっちに越してからも大会で会う機会があったらしい。


「じゃあ、俺そろそろ出るから」

「うん!気をつけて行ってきてね!応援してるから!」


何だか随分と嬉しそうに手を振る妹を横目に家を出る。




優斗が家を出ると、ボソッと一言優月がつぶやく。


「ま、お兄ちゃんに彼女ができても、あの時ひよった楓ちゃんが悪いんだからね…」




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