第51話 ストレートな好意


あと2日!?なんとか書けるといいんだけど…。

いや、書くんだよ…なんとしても…_:(´ཀ`」 ∠):

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狩人モンスターからログアウトすると、夜もだいぶ遅くなっていた。

もうそろそろ寝た方がいい時間だ。


風呂に入ったり、歯を磨いたり寝る支度を整えていると、俺の携帯が着信で震えた。


何の着信かと思って携帯を見てみると水城先輩から1ineの友達申請が届いていた。

そういえば相田が俺の1ineを水城先輩に教えるって言っていたな。忘れてた。



『今日はありがとう!村井くんが来ると知らなくて突然でびっくりしちゃったけど、凄く楽しかったです。また一緒に遊んでくれると嬉しいです・:*+.\(( °ω° ))/.:+』

水城先輩からはそんなメッセージが入っていた。


とりあえず水城先輩の友達申請の承認をする。

ただ、俺はこのメッセージにどう返そうかと悩んだ。


そもそも今日またこのメンバーで狩りをしようね!と言われた時は結局俺はまた折を見て…と曖昧な言い方をしてやり過ごしている。


まあ、水城先輩は悪い人じゃないし、人としてはまともな人なので人として嫌だとかそういう訳じゃないんだけど…。

あの人に絡んだ時は何かしらの騒動に巻き込まれている気がするので、ちょっと距離をおいた方がいいのでは…という理由で、俺の中では要注意人物に指定されている。


とはいえ、今日は俺と水城先輩の大剣キャラ同士のコンビネーションもうまくいっていた。要は普通に楽しく遊べた。


ゲームをするくらいなら、もう流石にこれ以上変な事に巻き込まれることはないだろう。…もうないよね?


そう考え「俺も楽しかったです、また遊びましょう」と言う旨のメッセージを書いて先輩に送った。


送るとあまり間を置かず水城先輩からメッセージが入る。

返信早いな…。


『良かった!嬉しい(ू•̤ᗜ•̤❁)*ワァ~ それで、もし都合がついたらで構わないのですが、村井くん、明日のお昼頃って少しお時間取れないですか?良ければ一緒に出掛けませんか?』


お、早速狩りのお誘いが来るとは…。まあ俺も明日は教えてもらったダンジョンでランク上げをするつもりだったから全然構わないけど。むしろ効率が上がりそうでありがたい。


ただ、ちょっと相田がいるとしんどい事を言われそうで面倒だ。それだけは確認してから返事をするとしよう。


『えっと、明日は2人でですか?』


そのメッセージに即既読がつくと返信が返ってくる。

本当に返信早いな…。


『はい2人でです。…だめですか?』


二人なら特に問題ない。



『大丈夫ですよ。時間取れます。明日の昼だと13時くらいでいいですか?』

『良かった!じゃあ、明日は13時に石橋駅で待ち合わせにさせてもらっていいかですか?それと私、美味しいランチのお店を知っているのでせっかくなので、そこで一緒にランチしましょう!』


「ん??」

あれ?狩人モンスターのお誘いじゃなかったの??


よくよく水城先輩のメッセージを読んでみると時間取れないかと聞かれていたが、狩人モンスターで遊ぼうとは書かれていなかった。…話の流れから出掛けるの意味を勝手に「狩りに」出掛けるという意味と勘違いしてしまった。


『あの、先輩。てっきり狩人モンスターのお誘いかと思ってたのですが、違いましたか?』



すぐに水城先輩から返信が来る。


『すみません汗。きちんと内容書いてませんでした…。一緒にどこか繁華街でも遊びに行けたらいいなと思いまして…。』



えっ?俺と?なんで??

しかも二人で遊びにって…なんかそれってデートみたいなんだけど…。

突然のことでビビる。


そう思って、その意味合いを考えていると続け様に水城先輩からメッセージが送られてくる。


しかし、メッセージを覗いてみようとするが開く前に削除されてしまっていた。通知で見えた文だけ読んでみるが、本文に入る前のさわりの文字が多くて本題まではわからなかった。


まあ、待てばまたすぐ返信が来るだろうと思ってちょっと待ってみる。と、今度はメッセージではなく水城先輩から通話がかかってきた。


どうやらメッセージではなくて電話で話した方が早いと思ったようだ。


「…もしもし?」

『夜分遅くにすみません…。村井くん、今少しだけお時間いいですか?』



『えっと、大丈夫ですよ。あのさっきの件ですよね?』

『はい、あの明日良ければ私と繁華街の方にお出かけしませんか?』


うん、やっぱり遊びのお誘いだ…なんで俺と??

さっきちょっと脳裏をよぎったのだが、先輩はまだお礼したいとか考えてる可能性がありそうだ。前もお礼はいらないですって言った時しょぼんとしてたからな。


「えっと、もしかしてまたお礼したいとかいう話ですか?それは前にも言ってますけど、しなくて大丈夫ですよ?」


しかし、俺の予想に反し、水城先輩は俺の言葉をきっぱりと否定してくる。

『違います。私が村井くんともっと仲良くなりたいと思ったからです。だからお誘いしました。』

「…え?」

『色々ご迷惑をおかけしてしまって、村井くんが私のことあまりよく思っていないのは、わかっているつもりです。でも私はもっと村井くんとお話がしてみたいです。…ダメですか?』


あまりにも予想外なことを言われたので、ちょっとなんと返せばいいかわからなくなってしまう。

え?え?もしかして、これって先輩が俺のこと好きとかそういう話??


俺がぐるぐる考えてしまい、無言でいると水城先輩は続ける。


『…迷惑なら迷惑って言ってくださいね。その場合はしょうがないですから…』

「えっと、別に先輩のことが嫌とか迷惑とかそういうわけではないです…」


『じゃあ、明日一緒に遊んでくれますか?』

「えっと、はい…」

『良かった…!それじゃあ明日、楽しみにしてますね…!』


そのあとも待ち合わせ場所とか何か色々話をしたが、あまり頭に入ってこなかった。ただ、勢いに押されて明日水城先輩と繁華街に遊びに行くことだけがフワッと決まってしまった。


あれ?どうしてこうなった??

明日は狩人モンスターでランク上げするつもりだったはずなのに…。


その後、何だかあれこれ水城先輩のことを考えてしまったが、よくよく考えると仲良くなりたいとは言われたけど、別に好きとかそういう話は一切出てない。


なんかつい、恋愛的な意味合いで取ってしまったが、これってもしかして友達的な意味合いで仲良くなりたいって言っていたのでは?


確かに水城先輩を助けた事はあるが…水城先輩と会って話をした回数はたかがしれている。そんな程度の関係なのにそんなふうに思うわけがないよな…。


ちょっと自意識過剰だったかもしれないな。

そう思ったら急にものすごく恥ずかしくなってきた。


と、いうか今日は色々ありすぎたな…。

もう寝よ…。


だいぶ疲れていたが、その日は寝つきがあまり良くなかった。


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〜水城環奈視点〜


「それじゃあ、明日はよろしくお願いしますね!」

『あ、はいおやすみなさい、先輩』


そう言って村井君との通話を切ります。


…つい、勢いで言ってしまいました。

まだ顔が熱いし、心臓がバクバクいっています…。


いまだに村井君がお礼をしたいってことですか、と頓珍漢なことを言うのでイラッとしてつい本音を伝えてしまいました。


本当はもっと軽い感じで徐々に距離を詰めていこうと思っていたのですが…こうなったら後には引けません。


私は明日に備えて入念な準備を進めることにしました。


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