第39話 どこにでも湧くよ?

もう本当に、コンテスト間に合うかギリギリ…。

締め切りはあるけど、面白い話にしようと思うと考えないとだし。

でも焦って作ると話が微妙になっちゃうし…悩ましい。゚(゚´ω`゚)゚。


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「うう…ごめんね…」

「もういいって」


神代が申し訳なさそうにビンタしたことを謝る。

神代に俺だとわかってもらうのに結構時間がかかってしまった。


わかった後も、嘘だー!詐欺だー!と、それはそれで落ち着いてもらうのに時間がかかった。


神代は怖い思いをしたので暫く経った後でも涙目のままになっていた。


「でも…助けてもらったと思ったらその人の方がもっと危ない人だと思って、本当に怖かったんだから!」


そう言ってバシバシと俺の肩と叩く神代。

ええ…俺のせいなの??


「そりゃ、メガネしてないから多少印象は違うだろうけど…普通わかるだろ!?声とか変わってないし」

「わからないよ!?鏡ちゃんと見た!?ワックス使って前髪あげてるし、別人だよ別人!声だって、うち、あの時は頭真っ白だったし…わっかんないよ!普段と全然違うもん!詐欺だよ、無理だよ!」


神代は捲し立てて怒った後も未だに詐欺だー詐欺だーと俺の隣で言い続けている。が、俺のせいではないと思うので勘弁してほしい。


それに俺の見た目が詐欺だと言うなら、今日の神代も大概だと思う。

篠崎だけでなく神代も今日はかなりおしゃれな格好をしていた。


今日は髪型を金髪のポニーテールにしているし、スキニーなデニムを履いているため神代の綺麗な足のラインがはっきりとわかるようになっている。それに加えて肩開きの編みニットから見える肩がだいぶセクシーな感じでとてもよく似合っていた。


しかし、こんなに見た目はギャルっぽいのに中身は超真面目な奴である。

ギャップがすごい。


文句を言う神代を宥めているとカフェが見えてきた。

ちょっと篠崎を待たせてしまったなと思ってカフェの入口の方を見やると、どこかで見た光景が繰り広げられていた。



「ねえ〜そう言わないでさ〜。いいジャーン。俺らと遊びに行こうよ〜」

「そうそう。いいジャーン。絶対楽しいって!っていうか俺らが絶対楽しませるからさ!」

「あの、困ります…」


「…」


…さっき神代に絡んでいた二人組が今度は篠崎に絡んでいた。

うわぁ、気まずい…。


行きたくないけど、仕方ない。

俺はまた彼らの間に割り込んだ。


「…あのー、すみません。…えっと、言いにくいんだけど、彼女も俺の連れなので、別の人を当たってもらえますか…?」


「…え、お前さっきの?」

男達に声をかけると、ピタリと動きを止める。


「あの私、彼と待ち合わせしてるので…すみません」

「…」

篠崎がそう言って俺の腕を組んで見せる。


するとさっきまでの強気の態度はどこへいったのか、彼らはがっくりと肩を落とし、何も言わずにトボトボとその場を離れていった。神代の時は捨て台詞を吐いていったのに今回は特になかった。


やっぱりイケメンじゃないとダメなんだよ…イケメンは二股が許されるのか…と呟いているのが聞こえてくる。


別にイケメンでなければ二股もしてないが…そんなにしょんぼりされると何だか俺が悪い事をした気分になる。

…な、なんかごめんな。


「ごめんね篠崎さん。遅れちゃって。うちもあの人達に絡まれて…」

「あ、そうだったの?ううん。あの人達しつこかったもんね。それならしょうがないよ」

「うん、本当にしつこかったよね…」


二人は苦笑いをしてあれはないよね、と愚痴りあっている。


あれ…もしかして共通の体験でちょっと仲良くなってる?

この調子なら普通に仲良くなれそう?



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