第33章 大家さん、テイマー系冒険者を集める
第387話 問題発生なのよっ
8月16日の月曜日、シャングリラの102号室では仲良しトリオが立て続けに出産した。
舞とサクラが出産した時にお世話になった産婦人科医と助産師に出張して来てもらい、特にトラブルが起きることなく順番に3人の子供が産まれた。
「ゴルゴンもメロもゼルもお疲れ様! 元気な子供を産んでくれてありがとな!」
「頑張ったのよっ」
「今日はたっぷり甘えさせてほしいです」
『オマエガスキm9っ`д´*) ダ───!!!』
ゴルゴン達はサクラの<
生まれたばかりの赤ちゃん達は泣くだけ泣き、産婦人科医と助産師が退室してからスヤスヤと寝息を立てている。
それゆえ、今が藍大に甘えるタイミングとしては丁度良いのだ。
「よしよし。みんな本当によく頑張ってくれたよ」
藍大はゴルゴン達を順番にしっかりと抱き締めて感謝の気持ちを伝えた。
その後で舞とリルが藍大に話しかけた。
「藍大、リル君から教えてもらった鑑定結果を書き出したよ」
『僕が調べたの』
「舞もリルもありがとう。早速3人のステータスを見せてくれ」
藍大は舞がリルから伝えてもらった赤ちゃん3人のステータスを書き出したメモを受け取り、それを順番に確認し始めた。
-----------------------------------------
名前:逢魔日向 種族:魔人
性別:女 Lv:1
-----------------------------------------
HP:10/10
MP:200/200
STR:1
VIT:1
DEX:100
AGI:1
INT:100
LUK:10
-----------------------------------------
称号:聖女見習い
装備:なし
備考:睡眠
-----------------------------------------
-----------------------------------------
名前:逢魔大地 種族:魔人
性別:男 Lv:1
-----------------------------------------
HP:10/10
MP:100/100
STR:1
VIT:1
DEX:100
AGI:1
INT:100
LUK:100
-----------------------------------------
称号:自然の申し子
装備:なし
備考:睡眠
-----------------------------------------
-----------------------------------------
名前:逢魔零 種族:魔人
性別:女 Lv:1
-----------------------------------------
HP:50/50
MP:50/50
STR:1
VIT:1
DEX:300
AGI:1
INT:5
LUK:1
-----------------------------------------
称号:収集癖
装備:なし
備考:睡眠
-----------------------------------------
「
「そうかも~」
日向はゴルゴンの娘として赤毛と施療士の
赤毛はパイロヒュドラの色が影響し、施療士は<
施療士はI国にいる西洋の聖女ことソフィア=ビアンキと同じ
最近ではポーションが日本の市場に出回るようになったが、ポーションいらずという点で”楽園の守り人”に媚びる者が現れるかもしれないから注意すべきである。
大地は黒髪だが耳がメロと藍大の中間ぐらいの長さであり、まさにハーフエルフと呼ぶに相応しかった。
森呪士という
零は一見普通に見えるが”収集癖”という称号がゼルの血を継いでいた。
また、筆写士は筆記速度の向上だけでなくモンスターの魔法系アビリティを常に1つだけコピーできる。
これもゼルが家族のアビリティを少しずつつまみ食いしたことが影響しているのだと言えよう。
「またどの子もすごい力を秘めて生まれて来たもんだ」
「ドヤァなのよっ」
「大地もマスターのようなすごい人になるです」
『₍₍ ◝(^O^)◟ ⁾⁾ ふっふっふー』
仲良しトリオは藍大の言葉を受けて全員胸を張った。
自分の産んだ子供が期待されて嬉しくないはずがないからである。
そこにふらっと伊邪那美が姿を現した。
「ふむふむ。今回も元気な子が生まれたようで良かったのじゃ」
「伊邪那美様のおかげねっ。感謝するわっ」
「ありがとうなのです」
『Thank you♪(⌒∇⌒*。)』
「うむ。そう言ってもらえると妾も力を使って良かったと思えるのじゃ」
伊邪那美がフライングして出て来たが、他の”楽園の守り人”のメンバーも新たに逢魔家の一員となった赤ちゃんを見たいとリビングで待機していたのでリルが連れて来た。
「赤毛の子がいるわ」
「エルフ耳っぽい子もいるね」
「美白な赤ちゃんもいますね」
「可愛らしいなぁ」
「だなぁ。赤ちゃん見てると心が洗われるようだ」
「曾孫が増えたさね」
「従弟の子供ってなんて言うんだっけ?」
「
「「「・・・「「へぇ~」」・・・」」」
いろいろな感想が出る中で花梨が口にした疑問に答えたのは伊邪那美だった。
神様だけあって知識量がずば抜けているらしい。
伊邪那美の豆知識にその場にいた者は皆感心した。
その時だった。
「あっ・・・」
ゴルゴンが何かに気づいたらしい。
「どうしたんだゴルゴン?」
「問題発生なのよっ」
「何に気づいたんだ?」
「同じ日に3人産まれたら誕生日のお祝いが1回にまとめられてしまうのよっ」
「そりゃ別の日にやらないだろ。日向と大地と零が同じ日に生まれたんだから」
そこまで藍大が言った途端、ゴルゴンが言いたいことに気づいた食いしん坊ズがショックを受けた。
「ケーキを食べられる回数が減っちゃう・・・」
『美味しいお祝いは何回やっても良いのに・・・』
「これは良くないのである」
「残念なのニャ」
『パパ、ケーキはいくつあっても良いと思うの』
食いしん坊ズがしょんぼりしていると、藍大が落ち着けと手で制した。
「確かに同じ日やるとは言ったけど、その1回を3倍豪華にすれば良いじゃん」
「それだ~!」
『流石ご主人!』
「吾輩、主君ならそう言ってくれると信じておったぞ!」
「万歳なのニャ!」
『パパ大好き~!』
食いしん坊ズは藍大の提案に賛成して藍大に抱き着いた。
本当に食欲に忠実な者達ばかりである。
「むぅ、出遅れちゃったわっ」
「食べ物絡みで舞達に勝てるはずないです」
『((´∀`*)) アハハ。』
今日の主役達が食いしん坊ズに先を越されてしまったことに気づき、藍大は舞達を落ち着かせてからゴルゴン達の頭を撫でた。
「日向と大地、零が生まれて来てくれたことがめでたくない訳がない。朝昼晩祝うか夕食だけ盛大にするかは考えるけど、ひとまず安心してくれ」
「はいなっ」
「はいです!」
『了━d(*´ェ`*)━解☆』
仲良しトリオは藍大の話を聞いてにっこりと笑った。
話は良い感じにまとまったが、騒ぎ過ぎた結果として日向達が起きて泣き出してしまったのでその場は家族のみ残って解散となった。
寝室が静かになると、舞に抱っこされていた優月とサクラに抱っこされた蘭がじーっと日向達を見ていた。
「優月も蘭も日向と大地、零は弟や妹だ。お兄ちゃんお姉ちゃんとして守れるようになろうな」
「うん!」
「あい!」
1歳になってから優月は喋れる言葉が日に日に増え、既に幼稚園の年少ぐらいには喋れるようになった。
蘭も簡単な言葉や返事を口にするようになっており、優月の返事に続いて頷いていた。
子供達の成長が速くて藍大と舞、サクラは毎日その成長を見守るのが楽しくて仕方ないようだ。
それはさておき、今日はDMUで大事な会議があってこの場に来れなかった茂は日向達の
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