第20話 シャラは娘を生贄にしようとした兵士たちを地獄に送りました
本日2話目です。もう一話更新する予定です。
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シャラの怒りを買ったマーマ軍が瞬殺される間にジャルカはヒールをクローデイアにかけていた。
クローディアの身体が光リ輝き、傷がきれいに塞がった。
「ありがとう。師匠。助かった。本当に良かった」
魔導爆弾を手に持ち替えて、シャラは感謝を口にした。
その目には涙が光っていた。
「師匠。少しクローディアをお願い」
少しどす黒い顔をしながらシャラはクローディアをジャルカに渡した。
「んっ」
シャラの気迫にさすがのジャルカも逆らえずに、クローディアを受け取った。
「おなごを腕に抱くなど何年ぶりじゃろうか」
ほくそ笑んでジャルカが言う。
「手を出すなよ」
シャラが言う。
「地獄から蘇りた化け物の子など恐ろしくて手が出せんわ」
ジャルカが吐き捨てるように言う。
「今までの恨みつらみは後ほどゆっくりと」
ニタリとシャラは笑った。
「それはこちらの言うセリフじゃ。人の言う事を聞かずに余計な仕事を増やしおって」
ジャルカがブツブツ文句を言った。
それを無視して魔導爆弾を手にゆっくりとシャラは歩き出した。
一同ビクリとする。多くのの兵たちはシャラの顔も知らなかった。しかし、一撃でマーマ王国軍を殲滅したのだ。その力を目の前にして兵士たちは生きた心地がしなかった。
その化け物の娘を生贄にしようとしていたのだ。
化け物が兵士らを許すとは思えなかった。
「バーナードはどこだ」
シャラは静かに言った。
一同ゾクリと背筋に寒気が走る。
「そこのお前。バーナードはどこにいる?」
「知らん」
兵士は必死になって言った。
「そうか」
シャラの頭から雷撃が兵士を直撃した。
一瞬で兵士は黒焦げになった。
「すぐに出てくれば良し。逃げるとすべての兵士がこの様になるぞ」
ニタリとシャラは叫んだ。
「誰が出るものか」
バーナードは呟くと慌てて転移して逃げようとした。
「そこか」
一瞬の魔力量の増加を把握して、その瞬間隠れていた木もろとも爆裂魔術でバーナードは吹き飛ばされていた。
地面に這いつくばる。
その目の前にシャラの足が映った。
恐怖にバーナードは震えた。殺される。
「バーナード貴様良くも私のかわいい娘クローディアに酷いことをしてくれたな」
「いっいや、王家の命令で止む終えずしたまでで」
「ふざけるな!」
次の瞬間バーナードを蹴り飛ばしていた。
「私は王家にはくれぐれも娘の事はよろしく頼むと生贄になってやったのだよ。
国王はどんな事があっても娘は大切に守ると言ったのに、どういう事だ」
再度、シャラはバーナードを蹴り飛ばした。
「グウェェェェ」
2回の蹴りでバーナードの内臓はボロボロになった。
「貴様、こんな事をしてただで済むと思うなよ。国に反逆するつもりか」
「ほう、私は約束を守って生贄としてノルディンの蛮族1万人を道連れにして死んでやった。国のためにな。見返りとして娘クローディアの永久の幸せと引き換えにだ。国王と確かに契約した。私はその契約を守った。それを破ったのは、国の方だよな。違うのか」
シャラはバーナードの腹を踏みつけた。
「グゥェェェェ」
バーナードは叫んだ。
「反逆したのは国の方だ。当然反逆罪として処分してやるよ。貴様ら全員な」
兵士たちは固まった。
消されるんだ。ここで。
「ただ、殺されるだけじゃないぞ。バーナード。知っていたか、地獄では殺した数だけ、無限地獄で殺されるんだ。貴様や国のせいで私は1万回も殺されそうになったのだよ」
ニタリとシャラは笑った。
「ここで殺される1回なんて大したことではない。1万回だぞ。1万回殺されるんだ。地獄の責め苦は本当にに苦しいぞ。鬼たちは生きたまま、鋸挽きしてくれるんだ」
シャラは有る事無い事吹き込む。
「・・・・・」
もうバーナードは応える気力もなかった。
「閻魔には私の代わりにバーナードという者を送るからじっくりといじめてやってくれと頼んでおいたからな」
「そ、それだけは止めてくれ」
必死にバーナードが頼む。
「遅かったな。後悔するのが。地獄で後悔しな」
シャラは魔導爆弾をバーナードの腹に突き刺した。
「グウェェェ」
バーナードが悲鳴を上げた。
「死ねえええ」
シャラは雷撃をバーナードにぶち込んだ。
バーナードが爆発する。
シャラは手を上に上げる。
次の瞬間クローディアの張り付けに手を貸した全ての兵士たちが雷鳴に包まれた。
国王に命じられた生贄部隊は全滅した。
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