第19話 娘を心配するシャラの前にマーマ王国軍は瞬殺されました
シャラから放たれる凄まじい怒りが周りを制圧していた。
倒されたマーマの大軍の兵たちもその気によって威圧されていた。
下手に動けばその場で殺される。兵士たちの中には恐怖のあまり失禁するものもいた。
そのシャラの前にクローディアを心配したジャルカが転移してきた。
「シャラ、貴様どうして…」
ジャルカはシャラを見て絶句する。幽霊にしてはシャラはその存在感があまりにもありすぎた。しかし、シャラは確かに生贄となって死んだはずだ。その死んだシャラが何故ここに存在するのかジャルカには理解できなかった。
「ジャルカ。良いところに来た。なんとかして。このままではクローディアが死んでしまう」
ジャルカを見つけてシャラはクローディアを抱えたまま駆け寄ってきた。
今は怒りよりもクローディアを治すのが先決で、他の事はどうでも良かった。
ジャルカはシャラの事は取り敢えず考えないことにして、クローディアを一瞥する。
「な、何という酷いことを」
言うや、手をクローディアの腹の中に差し込んだ。
「な、何をする」
一瞬で切れそうになったシャラの目の前に魔導爆弾を突き出す。
「持っておれ」
両手を離すわけにも行かず、止む終えず、シャラはその魔導爆弾を咥えた。
「今だ。」
思わずチャンス到来にほくそ笑んでバーナードは魔導爆弾の起爆装置を押す。
しかし、何も怒らない。
「えっ?」
バーナードは、もう一度押す。
何も怒らない。
「くそくそっ、くそーっ」
焦って何回も押すが魔導爆弾はびくともしなかった。
そして、威圧されていた敵主将の皇太子ブラッドフォードもこれを好機と考えた。
「者共、今ぞ。あの化け物もろとも攻撃しろ。全軍総攻撃じゃ。弓隊前へ。弓隊の攻撃とともに全軍突撃」
「ウォーーーー」
突撃の合図とともに喚き声を上げてマーマ王国軍は突撃にうつった。
「貴様ら邪魔するな!」
シャラは邪魔されてプッツン切れた。今は愛しのクローディアが生きるか死ぬかの瀬戸際だった。外野は静かにしてほしかった。叫ぶとともに頭から雷撃をマーマレード軍のど真ん中に叩き込んでいた。
「ギャァ」
凄まじい光が光って一瞬で何万ボルトもの雷撃がマーマレード軍に叩き込まれた。
瞬殺だった。
1万人の大半が黒焦げとなり、マーマ王国最強の第一師団は壊滅した。
生贄を使う必要もなく、シャラの怒りを少し買っただけで侵略国家マーマ王国の主力がこの世から消滅していた。
見ていた者達は呆然として立ち尽くした。
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1万の大軍もシャラの前にはついででした…………
今日も3話投稿する予定です。
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