第2話
「被害者の名前は櫻木遥16歳。誠仙学園の2年生だ。」
「高校生か…。」
若い命を守れなかった惨めさが18係を襲う。
「しんみりしててもなんにもなりませんよ!とっとと調べちゃいましょ!」
「ああ。なんとしても犯人を捕まえるぞ。」
そう言った神石の瞳には決意の意が見えた。
「それにしても、今までの被害者との共通点がこれっぽちもないねぇ。」
「確かに、1番目の被害者は公務員の男性だったよな。40代の。」
「うん。で、2人目が20代の売れない舞台俳優。年齢も性別も職業もバラバラ。」
すでにやる気を少しなくしてきている丹後のスマホが鳴った。
「ん?S N Sの通知だ。え?」
「どうしたんだ?」
驚く丹後の顔には微かに期待の表情が込められていた。
「有力情報だ!」
「え⁉︎」
18係全員が顔を上げた。
「1件目の被害者と2件目の被害者が元親子!!」
「はぁ?うちで調べてもそんな情報一切出てきませんでしたよ?」
「それもそのはずだよ…彼らの戸籍情報は白紙、さらに3件目の事件が起きてから1,2件目の被害者たちの情報が閲覧禁止になってる…」
「なるほど…だがそれは対刑事課用だろう。うちは刑事課は刑事課でも一味違うだろう?」
少し余裕な表情を見せる神石。
「できるか?水月。」
「もちろん!この水月くんに任せてくださいよっ!」
一瞬流爾と剣慈の表情が柔らかくなった。
「そろそろです…来ました!」
「ん?誠仙テロ?」
「これ,5年前のあの事件じゃないですか?この事件で確か神石さんは…」
神石が俯いて寂しそうな表情をする。
「そうだ。弟が死んだ。」
「この事件って,被害者は確かバスケ部員だった気がするんスけど…」
「犯人まだ捕まってないよな…」
「ああ。犯人は必ず捕まえる。」
「この情報って前に情報観覧した時は無かったんだよね。」
「じゃあ追加されたってことか?」
一同に沈黙が走る中声を上げたのは篠岡だった。
「その件,もっと上の公安なんかが介入してるかもしれませんね。」
「は?」
Bizarr 朔月 @sakutsuki183
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