死にたがりの先輩と余命1年の後輩
@06ta24
第1話死にたがりの先輩
「先輩、僕の終活を手伝ってください」
高二の春。そう学校の屋上で死のうとする先輩に言う。
いつも通りつまらない日常、学校なんか行く意味はないかもしれない。ただ来なかったらそれでもう終わりみたいな気がした。
そしていつも通りの授業が終わり昼休みだ。屋上でご飯を食べようと行くと先客がいた。上履きの色が上級生の色だがどうやら死のうとしているらしい。段の上に立ち今から飛び降りますという感じ。目の前で死なれるとご飯がまずくなるので
「ちょっと今は死なないでください」
「止めないで!私はもう決めたの」
「今はご飯がまずくなるから」
「えっ?」キョトンとする先輩。
「死ぬのは止めません。ただ僕の前で死なないでください。はっきり言って迷惑です」
「なんで止めないの?」段から降りて聞いてくる
「止めません。あなたが生きる責任はとりたくない」
「ただなんで死のうと思ったかは興味があります」
「私は生きていないほうがいいの。友達からはいじめられて親はいつも家にいない。私の居場所はどこにもないの」先輩は少し考えた後世界で一番不幸と言うような顔でつぶやいた。
「なんだそんなことか」
「そんなこと?あなたに何が分かるの」
少し怒ったようで強く言う先輩。
「すみません。ところで終活はもう終わったんですか?」
「自殺するのに終活?馬鹿らしい私はもう死ぬの」そう言い段に乗り外を見る先輩。
「先輩、僕の終活を手伝って」
ちょうどいい人がいたと思った。
「ね〜手伝うなんて言ってないんですけどしかも余命一年って何なのよ」
「いいじゃないですかどうせ死ぬなら手伝ってくれても」
「嫌だね!今死ぬね!」
「じゃあ死ねばいいんじゃないですか?その様子だともう終活も終わってるみたいですし」
「終活なんてしてないよ」
「信じられない。誰にも死ぬことを言ってないんですか?」
「言ってないけど」
「先輩って子供みたいですね。せめてお世話になった人にはお礼ぐらい言ったらどうですか?」
「お礼を言って何になるの?止められるだけだよ」
「先輩が何を持っていたかがわかる。それが家族ならいい家族それが先生ならいい先生などです」
「だからそれが先輩の人生のいいと思った事」
「だから生きろと言いたいの?」
「いいえ。先輩僕とアルバイトしませんか?」
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