プロローグに春風は吹く

 周りが真っ暗闇に包まれている。

 まるで自分が空気に解けるかのように何も感じない。それなのに、凄く怖い。

 そんな事を考えていると、テレビの電源コードをいきなり抜くかのように、目の前がブチッと一瞬にして光輝いた後には、さっきまで以上の漆黒に包まれた中で形しか見えない人を見た瞬間に私は、目が覚める。

 私は、いつもこんな夢を見るので、目覚めがとても悪い。

 私は、赤坂御咲、高校生だ。世界には、魔法という現実が存在している中で日本政府が、当時、魔法研究で名を轟かせていた優青高校を中心に実験的に魔法の使える学生の育成を目的とした学生地区が出来た。今では、東京を覆うまでに学生地区は、大きくなった。というのが学生地区の成り立ちらしい。今から約4年前の話なのだが当時中学生だった私が普通なら覚えてない訳がないのだ。しかし、私は、1年前からの記憶がまるでない。色々と不便な事が多いと思ながら、学生地区のオリエンテーションの授業が行われていく「OKですかい?学生地区の全体の学生は、3つの階級クラスにわけられるかい」と私のクラスの担任にして身長140cm未満で白髪の白州菜奈しらすななは説明をする。「学生地区内の学生は、一番下から第3魔法者、第2魔法者、第1魔法者と分けられているかい」と説明を続ける。私は、真面目に授業を受ける。決していつもは、真面目に授業を受けている訳ではない。では、何故、真面目に授業を受けているかと言うとその答えは、単純明快な話であり、詰まる所授業の始めに「真面目に受けない子は、補習ですかいね」と突如白髪の先生は、無慈悲に補習という一つの地獄をいや大地獄を私たち生徒に突きつけてきた。この日は仕方なく、真面目に授業を受けることにしてこの日は終わった。はずだった、少なくとも玄関ポストにあの手紙が入っていると気づかなかった時までは・・・

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