地上最強の師の子孫

福田点字

第1話 最強達の転機

 勇者、魔王、最高神、獣王、虫王、竜王、悪魔大王


 彼ら7人は最強の名を冠する。


 それぞれの種族で最強と名高い7人、世間では彼等が最強の基準で彼等は歴代に例を見ない最強だ。


 しかし、彼等は知っている。


 自らが弱いとゆうことを。


 7人を育てた師、アークの前には全員で戦おうと傷の一つを付けることさえ叶わないだろう。


 今は無き師の大きすぎる背中、そのインパクトはあまりにも大きい。


 ある日突如として、その激動のような生涯を終えた師は全てを持っていた。


 陰から全てを支え、師が健在であった時代は一切の争いも起こらなかった。


 何故なら争う理由がなかったから。


 師は手の届く範囲を救った、それが全世界の全生物であった事こそが規格外だ。


 そんな師の亡骸が埋まる場に建てられた大きな塔には師が生涯で持ち続けた財宝が安置され、無数の結界により7人の弟子達以外が入る事は叶わない。



「アーク先生、今年も我ら7人を支えてくださり有難うございます、」


「「「「「「有難うございます」」」」」」



 今日は師が亡くなってから丁度100年の日だ。


 7人が集うのは年に一度、師の命日である6月12日にこの塔の下でだけだ。


 祈りを捧げた7人はその後、塔に入ってゆく。


 コレは師の望みであった、死後自らを埋めた場所に塔を作り命日はその中で居てくれ、と。


 7人は理由など知らないが、それでも敬愛する師の望みだと毎年この塔で国の方針などの会議や茶会を行なっている。


 この遺言のため7人は急務でも無い限り一切の交流を断っている。


 命日の終わり、あと1分で翌日とゆう時間になり7人は塔を出る。


 最後にお辞儀をして自らの国へと歩を向けた。

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