短編集
蒼山詩乃
夕焼けに手を
彼女が机の上に腕を立て、あごを手のひらに乗せながら夜の準備を続ける太陽が沈む姿を眺める姿は、綺麗だな、と思わされてしまう。
僕も空を見て夕暮れの空は夜のときの星の高さとは違い、手を伸ばそうとすると簡単に届くかも知れない、とぼそっと呟くと彼女は表情を緩めた。
きっと何かをつかみそうでつかめないで居るからかもね、と呟いて空を見上げた彼女。
そう言われるとそうかもしれない。だって僕の好きな人は隣にいる。
幼馴染みということで顔を近づけられても慣れてしまって顔には出ないけど鼓動は早い。
後一歩なのに、と思うのだけれど今の僕には彼女を支える勇気が無い。
いつか、あの夕暮れの空をつかめるといいな、と僕は心から願った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます