第12話  後悔



真実の日焼け?は気にはなったものの いつも通りの朝が来て

いつも通りの恒例のやりとり

「起きなさーい 時間だぞ」

夜は子供達と居てあげれないので どんなに閉店時間が遅くなっても

朝だけは子供達の朝食を作り、食べさせ、送り出す。

せめてそれくらいしないと

母である事を忘れられてしまいそう。

子供達との貴重な時間だ。

「真実 どうした? 早く食べないと遅れるよ」

珍しく食べるのに時間がかかっている。

「何か 歯 痛くて」

「虫歯?」

「分からん」

「今日帰ってきたら歯医者行って来なさいよ」

「え〜 歯医者嫌い 痛くない」

 家の直ぐ目の前が歯科医院なので 便利なんだけど 歯医者はどの子も苦手な様だ。

まぁホントに痛くなったら行くでしょう。

ある意味放任主義なので 本人の意思を尊重している。

「姉ちゃん 早よせんと学校遅れるよ」

1番下の優希に言われる。

「はいはい 一丁前に!」

スープだけ飲み干し ランドセルを肩からぶら下げるように掛け、

「行ってきまーす」

頬を押さえながら学校に向かった。

歯が痛いとか、お腹が痛いというのは

さほど珍しい事ではない。

本当に痛い時もあれば、都合で痛くなる時もあるくらいだ。

今回は本当に痛いようだったが、

「虫歯かな?」

程度に思っていた。

夕方になり、学校から帰ってきた。

「お母さん 歯痛いし やっぱり歯医者さん行って来る」

歯医者嫌いなのに珍しく自分から行くと言うくらいだからよほど痛いのだろう。

「着いてきて欲しいなぁ」

「今から店忙しくなるから 一人で行ってきて」

「はーい」

無理を言う子ではないので心細そうではあったが、いつもの事だと諦めたのか

一人で歯医者に入って行った。

家から100m程離れた所にあるので着いて行ってあげればよかったと後悔している。

今更だが・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る