第12話 魔力紋ゲート。

 門のゲートを通り抜け中の廊下を歩く。


 っていうかここ、魔力紋ゲートだったんだ。


 マリアンヌの記憶にあるそれ。魔力紋。




 そもそも魔力っていうのは人の心の根源、レイスを構成しているモノ、マナがそのレイスのゲートを抜け外に力を及ぼす力の事、らしい。


 心の奥をずーっと潜っていくと、そこには出口、穴、みたいのがある。それがレイスのゲート。


 そこから手を伸ばすと……。


 ううん、手を伸ばすようにイメージすると。


 外に、現実な世界に力を行使する事が出来た。


 念動力みたいな? そんな感じに物を掴んで動かす事が、あたしにも出来た。


 ふふ。ちょっと嬉しかったけどね?


 あたし、超能力が使えたんだ、って。


 まあ当然っていうか自分のほんとの手で持った方が早いし、そっちの方が力も強い。それくらいのチカラしか無かったけど、ね。


 訓練すればもっと力強くなるかもだけど、けっこう疲れるんだよ。


 だからまあもっとちゃんと魔法を使えるようになった方が良いみたい。なんだけど。


 ああちょっと話、脱線しちゃったよごめん。




 そんな魔力、マナの力には、そのレイスによってそれぞれ違った波紋があるらしい。


 それが魔力紋。


 この世界ではそれを個人を特定する方法に使ってるらしい。


 魔力紋ゲートっていうのは、基本登録された魔力紋の持ち主しか通さない、そんな魔力の壁、だ。


 不審者とかの侵入を防ぐ装置?


 まあね。この魔道士の塔はこの国の安全を担っている重要な場所だから、そんなセキュリティ対策もバッチリってわけね。




 そんな事考えながらフェリス騎士団長様の横を歩いてた。


 時々こちらを見てあまいマスクで微笑んでくれる。


 あう。その度に胸がドキドキするのは……。何かの気のせい、だよね?



 金色の髪をオールバックにし、年の頃は三十代くらい、かな?


 鼻筋の通った美丈夫、だ。


 そんな大人の魅力になんだか……。


(茉莉花ちゃんはおじさん好きなの?)


 いやいや、別におじさん趣味なわけじゃ……。


 そう言い訳するもこの胸のドキドキはなんだろう。あたし、どうしちゃったかな。


 でも。さすがにまだ十四歳のマリアンヌと三十歳はすぎてるかなぁな騎士団長様とじゃ、年齢も釣り合わないかなぁ?

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