3.シェイク・陽炎

「ロン、ザ・トゥルー・ワールド。1,800万オール」


 牌を開いた瞬間、ギターケースから軽反動全自動掃射砲インスタント・ガトリングガンを取り出して乱射した。DRRRRRRASH!! 股間・脳天・心臓。人体の弱点をことごとくく打ち抜く俺の魔技マギ参天崩さんてんくずしによって白い袈裟ホワイト・ドレス橙の袈裟オレンジ・ドレスもみんな揃いの深紅スカーレットに染まる。


「ば、馬鹿な……なぜ……」


「神の啓示を受けたのサ。天和テメェらを殺せってな」


「お、愚か者……めが……」


薬物ブロッコリー漬けのカスに言われたくねぇよカス」


 未だ息をしている橙の袈裟オレンジ・ドレス心臓ハートめがけて弾丸の雨レイニー・バレットを降らせてやった。血飛沫スプラッシュが舞い、倉庫のタイルが安っぽい赤フェイク・レッドに塗りつぶされる。


「よかったな。赤は最高教師グランド・マスター袈裟の色カラーリングだぜ?」


 カスの二階級特進ダブルアップを祝いながら軽反動全自動掃射砲インスタント・ガトリングガンを収納、そしてルーシー・ストライクを二本ダブルで吸う。深いママの味が仕事の疲れを癒すヒーリング


「なにが救済麻雀サルヴァーレだっつぅの。馬鹿馬鹿しい」


 GAMEゲイムでどちらが正しいか決めるだと? 下らねぇ。そんなものは殺してから決めれば済む話だ。

 かの伝説的レジスタンス、メイトリリー大佐も「証拠は死体の上に置くのが一番良い」「とにかく殺すのが肝要」という金言を残している。


fake野郎くそったれがよ……」


 俺は教師ビショップ共の懐から大麻、コカイン、LSDを没収し、一か所に集める。そして火打石フリント・ロックと石油を取り出して着火ボン・ファイア・リット悪夢のような匂いナイトメア・パルファムが倉庫の中に充満し、紫と黒の煙デス・スモークがゆっくりと天上めがけて漂う。俺は汚い焚き火の中にルーシー・ストライクの吸殻を放り込んだ。


 どんなに汚かろうと、火種は火種だ。俺は揺らめく陽炎の向こうに、在りし日を見た。メリー、メリー。壊れたペンダントブロウクン・アミュレットを握りしめて遠い日の名前マントラめいたスペルを唱える。在りし日の思い出がまるで昨日の出来事のように瞼の裏を駆け巡ってゆく。


 夢のようにライク・ア・ドリーム魔法のようにライク・ア・マジック

 だがそれは本当にただの陽炎フェイクに過ぎないのだ。

 天国ヘブンズゲートドライブっちまった人間の思い出などいくら拾い集めたところで、決して本当の喜びカタルシスに至ることはない。


「メランコリーだゼ」


 俺は行き場を失って彷徨うロスト・ワンダーな紫と黒の煙デス・スモークのために、即興でつくった歌を捧げたシング・ア・ソング




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る