第33話

 俺は春の家の玄関であるものを見たんだ。

 手紙らしきものを。

 そこにはまるでドラマで見たかのような紙を切り貼りされた手紙で、俺はそれを見て脅迫状が届いたんだなと思った。

 

 それでこれについてどうしようかと迷った結果、ある考えが浮かんだ。

 脅迫状を送ってきたと言うことは犯人は何かを要求しているのだろう。

 だから春の家の誰かが何かを犯人に運ぶ瞬間を取り押さえるんだ。

 普通に聞いても誤魔化されてしまうだろうからな。


「さて、俺の考えを聞いたお二人はどう?」

「お前実は頭いい?」


 蓮、失礼だな。


「お前よりはだいぶ頭いいぞ。海斗はどう思う?」


 俺が海斗に聞くと海斗は一瞬口角が上がった。

 これ悪いこと考えてる顔だ……。


 少し間をあけて俺の質問に海斗は答えた。


「僕は未羽ちゃんと用事があるからこの件はパス」


 うーん、残念。

 海斗が入ればもっといい作戦を思い浮かべそうだったのに。

 蓮は使いもんになんねえし。


「まぁ女の子と用事があるならしょうがない」

「だよね」


 海斗はじゃあって言って教室へと戻って行った。

 海斗が戻ったあと、蓮がこう言ってきた。


「海斗ってちょっと冷てえよな。友達のことなのによ」


 なんか怒ってんな。


「まぁ女の子との用事だからしょうがないって」

 

 海斗は俺の言葉に少し呆れて「その考えもどうかと思うぞ」とバカにされた。

 え、酷くね?

 扱いが酷いわ。

 まぁそんなことは置いといて対策を練るとするか。


 俺の切り替えは一流なのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る