第25話 心のブラックホール
Q 38歳 男性 飲食業店員
私はコンプレックスが多く、自分に自信がもてません。
負けを認めてしまえば楽になると思っているのですが、妙なプライドが邪魔します。
理由は幼少期に、両親、祖父母から異常に可愛がられ、褒められ、自分は特別な存在なんじゃないかと誤解していたことが発端だと思います。
社会に出たら、何もできない人間だったことを自覚し苦しんでいます。
特に仕事ができないコンプレックスをどうしたら克服できますか。
周りが凄い人たちばかりで、自分のできなさが余計際立ちます。
A 人は必然的に人とのつながりの中で、自分と他者を比べてしまいます。生きていくうえで優位な容姿や立場や地位をもつ人と自分を比べ落胆することはよくあります。ただ、優位に立つように見える人たちにも、多かれ少なかれコンプレックスはあるものです。
自分の力では変えられないことは、コンプレックスというより、個性とも言えるでしょう。個性の捉え方にも、その人の個性が表れます。自分の個性が嫌いだなと思う人がいたら、自分の個性を嫌う個性となります。嫌うことで体調が悪くなる、生きがいが見つからなくなる、自信がもてなくなる人も、それはそれで大切な個性だと思います。プライドが邪魔することも個性ですよね。
コンプレックスを感じることも個性の一つですが、注意が必要です。
コンプレックスは底無しで、正常な判断を歪めます。心のブラックホールとでもいいましょうか。コンプレックスで悩んでいる人は、ブラックホールの中に取り込まれつつあると考えられます。入ったら抜け出せないブラックホール、二度と現実の世界に戻れないと思うと、コンプレックスに近寄らないのも賢明です。近づくと吸い込まれちゃいますからね。望遠鏡から眺める程度にしておきましょう。
コンプレックスが無いように見える人もいますが、意識しないようにしているのです。だって、考え出したら危険ですからね。
仕事ができないコンプレックスは個性と捉え、開き直り、深みにはまらないことをお勧めします。
できないことで見えてくる他人との比較の世界は、ブラックホールの入り口です。よい距離感を保ちつつ、できることから少しずつ積み重ねていきましょう。焦りは禁物ですよ。
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