【Web版】黒幕令嬢なんて心外だわ! 素っ頓狂な親友令嬢も初恋の君も私の手のうち ⇒(旧題)素っ頓狂な私の親友、ホントに手が掛かるんですけど
第1話 素っ頓狂な友人令嬢は、どうやら定期的にやらかさないと気が済まないらしくって
第二章:素っ頓狂な友人令嬢のせいで、せっかくの『婚約者擁立イベント』が台無しです!
第1話 素っ頓狂な友人令嬢は、どうやら定期的にやらかさないと気が済まないらしくって
王族主催の夜会の場で、その『素っ頓狂』は発動した。
「えっ? レイさんって、殿下の事が好きだったんですか?!」
意図せずだろう。
驚きから来るその大声で、和やかだった会場内の空気がザッと色を変える。
聞こえてくるのは、貴族達の囁き声たち。
そうでなくとも「王太子を誑かした令嬢」として今や噂の的になっている子爵令嬢・レイを引き合いに出してのこの言葉に、周りはヒソヒソと何やら話し始める。
おそらく先日の一件を実際に見ていた者達も多いのだろう。
今回早速『素っ頓狂』を発動したエレノアに向けられるのは、訝しむ声だけじゃない。
もしかして、また何かが起こるのでは。
そんな野次馬根性ともレイへの妬み嫉みへの報復とも取れぬ期待感が、突如として発生し膨れ上がる。
そんな関心のど真ん中で、私は深い深いため息を吐いた。
(あぁもう、またか)
そうでなくても案件を抱えているというのに、本当に手が掛かる子だ。
隣のモルドには是非とも彼女の手綱を握っておいてほしかったのだが、どうやら間に合わなかったのだろう。
「あー……」という、諦めとも後悔とも思えるような声と共に彼は苦笑を浮かべていた。
案件の特性上、残念ながらここは陛下の御前である。
依頼者の殿下とレイが居て、そんな状態でのコレである。
この言葉のせいでまたエレノアの首が危うくなる事なんて、目に見えている。
現に殿下と、何よりレイがかなりご立腹の様子なのだから、今すぐ取り繕わなければ大変な事になるだろう。
今回のミッションは、前回同様「この手の掛かる親友を護る事」。
その上で――「この国の未来のために為す事」だ。
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