空人ノ國
ソラノリル
第一部 蛍火ノ章
【序】
からん。幼い足に
「これより聖域に入る」
粗相のないように歩きなさい、と、おとなは前を見すえたまま、静かに言った。言葉に反して、声に
ぱきん。私の
立ち込める霧の中、四方を大岩に支えられ、高く
(人形?)
違う。
(あれは……)
あとずさる私の足の下で、再び白い欠片が砕けた。背中を怖気が駆け上がる。奥歯を噛みしめ、悲鳴を呑み込む。行き場を失った呼吸が、狭まる喉の奥で、ひゅうと鳴く。
(ひと、の……)
立ち尽くす私を残し、おとなは柱のもとに進んだ。
がしゃん。
白い、しろい、ひとの骨。
ひらり。色褪せた緋袴が霧の中に
「……《
「新たな《
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