これ、なーんだ!

ネコさん

第1話 答え カーペット 五歳

「これ、なーんだ!」


普通の四人家族。

そんな篠田家にはちょっと珍しい決まりがあります。

それは・・・1日一問なぞなぞを出すこと!

(長女が勝手に決めました)

この物語はそんな篠田家の日々を書いたお話です。


「ヒントはね、フワフワしててー」


ゆっくり語尾を伸ばしながら話す姉にうんうんと頷く弟。

そんな和やかな雰囲気にそれを見ていた私達は自然と口元が弧を描く。


「茶色でー」


「それでそれで!」


海斗がソファーに座りながら足をパタパタさせる。


「おっきいよ!」


そう言って姉、柚菜(ゆな)は視線を下ろす。

その先には冬用のカーペットが敷かれている。

恐らく答えはそれなのだろう。

けれど海斗は必死に考えており柚菜のことなど見ていなかったようだ。


「うーわかんない。ヒントおしえて!」


「ヒントはね、それは敷かれてるんだよ!」


一分後・・・


立ち上がった琥太郎は目をキラキラさせながら叫んだ。


「わかったよ!こたえはとうさんだ」


急に呼ばれたことに驚いて僕は飲んでいたお茶を口から吹き出しそうになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親↓


心情→え、いやいや。カーペットでしょ。どうして父さんになったんだ

表情→( ゚д゚)ポカーン


姉↓


心情→やった!間違えてくれた!私の勝ちね!

表情→("⌒∇⌒")

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうして父さんだと思ったの?」


親の心からの弁明を発したのは柚菜だった。


「だってねとうさん、フワフワでちゃいろのようふくきてるでしょ」


え、そんなの着てる訳・・(下を見る)着てた!着てたよパジャマで!


(母さん:今さらだけどどうして大人なのにそんなの着てるの)


(父さん:年齢は関係ない!寒いんだよ!これ、暖かいんだよ!)


(母さん:今、何月だと思ってるのよ!五月よ、五月!気温20度超えなんだからね!)


「それにさ、とおさんしかれてるでしょ」


((何に!?))


「何にしかれてるの?」


((ナイス柚菜!まさに以心伝心))


「ねえさんいってたでしょ。とおさんはかあさんにしかれてるって」


二人の脳内↓


かあさんにしかれてる

   ↓

母さんに敷かれる

   ↓

母さんの尻に敷かれる・・・!?


(母さん:・・そろそろご飯の用意しましょうか・・・(-""-;)[私ってそんなに父さんに厳しくしてたっけ・・・])


(父さん:うん、そうしようか・・・(ToT)[俺ってそんなに弱そうに見える・・・])


[[早くここから離れよう・・・]]

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