第7話「いい匂いなのに?」

すると、先生が言いました

「みなさんは、おうちでお洗濯のお手伝いをしますか?洗濯機には、何を入れますか?」

ふーくんがすぐに手をあげて言います

「じゅーなんざい!じゅーなんざい入れると、いい匂いになるんだよ!」

「そうです。みんなが着ている服は、いい匂いの香りが付いていますね。そのいい匂いは、工場で作られている"化学物質"です。みんなが着ている服には、それがたくさん付いていて、空気中に少しずつ広がっています。それを吸い込んだり、目に入ったりしても、ちょっとだけならみなさんは平気ですが、みーやちゃんは、頭が痛くなったり、気持ち悪くなったり、すごく具合が悪くなってしまうのです」

「なんで、いい匂いなのに、具合が悪くなるのー?」

「いい匂いだけど、体に良くない化学物質なんです」


※本作では、生物への危険性が高く、健康被害の実例もあり、生分解性が低く環境汚染にもなっているという情報のある物質を「化学物質」と表現します。しかし、メーカーは成分の安全性を主張し「化学物質過敏症と商品の明確な関連はない」と回答しており、医師や消費者連などが危険性を伝える情報と矛盾しています。「安全な化学物質か?危険な化学物質か?」の区別は人によって考えが異なるため、意見の対立や偏見など「理解し合えないこと」が当事者をより苦しめています。

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