第1話⑧『今の世の中』と書いて、『絶望的な日常』と読む

その頃。

隣街にあるファミリーレストランでは、3人の男女がテーブルを囲んでいた。


「はじめまして。【サチ】です」

「【YU(ユウ)】です」

「【しげちゃん】です。宜しくお願いします」



「【コッコ】さん、遅くなるって」

「渋滞にはまったんでしょ?仕方ないよ」

そう言いながら、【YU】と名乗った少女が、カルピスを飲み干す。



少しの沈黙の後、1人の女性が店の扉を開けて入って来た。

茶系のポロシャツにジーパン姿。


辺りをキョロキョロと見回しているその女性に、【YU】が声を掛ける。


「【コッコ】さん!こっちこっち~」

【コッコ】と呼ばれたその女性も、彼女達のいるテーブルに着く。


「ごめんなさい。早く出ようと思ってたんだけど…」

「イイよ。もう少ししたら、出よっか?」

「そうですね」

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