第1話⑤『今の世の中』と書いて、『絶望的な日常』と読む


《今着いたよ(^o^)v》


《江垣(エガキ)に着きました。これからバスに乗ります》


《了解しました→(  ̄▽ ̄)ゞ》


《渋滞にはまってしまいました(>_<)》


数時間前よりも、明らかに増えている1つのスレッド。


“もうすぐ、来る──”



深呼吸をした要のいる部屋の外から、仲居が声を掛ける。


「お客様。──佐藤(サトウ)様?」

「はい」

「お食事をお持ち致しました」

「どうぞ」


要は、笑顔で仲居を迎え入れた。

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