第1話②『今の世の中』と書いて、『絶望的な日常』と読む

「くだらない」

これが要の口癖になって、もう数ヶ月が経っ。


街中を歩く要の手には、今時の若者らしくスマートフォンが握られている。

見た目は、スマートフォンを通してメールや会話を楽しむ若者の姿と、何ら変わらない。



「くだらない」

白く細い指で画面をスクロールさせながら、また呟いてしまう。


そして、ため息──。

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