第38話予想外の展開
「実は私も、生徒と結婚したんですよ」
「──!!!」
美有希と万里は、驚いて顔を見合わせた。
「まぁ…。私の場合は3年生を担任していた時でしたから、彼女が卒業してから結婚したんですがね」
「…」
「ですから、冴島先生の気持ちは分からなくもないんです。私個人的には、“応援したい!”とも思っているんですよ」
「校長先生…」
「河村さん。冴島先生の事を愛していますか?」
「『好きですか?』って聞かれたら『はい』って答えられますが、それが『愛か?』って聞かれたら、正直分かりません…」
美有希は、顔を赤らめて言う。
「河村さん。人を好きになるのは簡単ですが、人を愛するというのはとても難しい事です。冴島先生は今回の1件で『人を愛するという事』が分かったようですから、河村さんはぜひ冴島先生に教えてもらってくださいね」
そう言って校長は、ニッコリと笑った。
「校長先生──」
「冴島先生、河村さん。幸せになってくださいね」
「ありがとうございます!」
「では。退出してください」
「失礼しました」
そう言って2人は、校長室を後にした。
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