第35話もうすぐ…

こうしてお互いの気持ちを確かめ合った2人。


しかし…。

「でもやっぱり、『教師と生徒』というのは変わりません。これは『2人の秘密』という事で」

「もちろんです」

根が真面目な2人。

そこは、変わらない。


「でも…由起には言っちゃいました!!」

ハッと思い出して、美有希が言う。

「大丈夫です。渡辺さんは知っていますから…」

「えっ!?何故ですか?」

「それは──」

万里は、保健室や相談室での由起とのやり取りを思い出していた。


“河村は、僕がキスした事を知らないのか…”


翌朝は、祝日だった。

「万里…。とうとうやっちゃったか──」

「うん──」

「万里。生徒との恋は、そんなに簡単じゃあないぞ」

「分かってるつもりだよ。どんな事があっても、彼女を守っていく覚悟はできてる」

「そんなに簡単じゃあないぞ?」

健人がため息をつきながら、腕組みをする。


「それより…。クリスマスが彼女の誕生日なんだ。プレゼント、何が良いかな?」

「はぁ!?…お前、そりゃあ──」



そしてクリスマスの日。

万里は、河村家のインターホンを押した。

「は~い。──先生?」

“かっ…カワイイ!!!”

「河村さん。今日、誕生日ですよね?」

「はい…」

「これ…」

バラの花束が渡された。


それを遠くから見ている少女が居た。

2組の八神 真紀(やがみ まき)だ。

真紀はスマートフォンで動画を撮っていた。


「お邪魔します」

そう言って、万里が河村家に入って行く──。

「──」

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