第8話クラス対抗、長縄大会‼

翌々日の宿泊研修最終日。

クラス対抗長縄大会をする事になったのだが…。


「河村さん。どうしたんですか?」

「先生。美有希、脚が痛いって」

「そうなんですか?」

美有希が頷(うなず)く。

「1日目のオリエンテーリングのやつが、今頃来たみたいです。痛い…」

「そうですか…。じゃあ、少し休んでまた出来そうなら参加してください」

「はい」

“…って。参加しないけどね~”

要するに、美有希は『ズル休み』をしたいわけで、仮病を使っていた。


「美有希、大丈夫?」

由起が心配して、時々美有希に声をかける。

万里も心配して美有希の方を見るが…。

“「脚が痛い」って言ってた割には…。もしかして、仮病?”

朝はあまり脚を気にしてはいなかったのだ。


“疑いたくはないしちょっとかわいそうな気もするけど…。仕方ないよな”

「河村さん。そろそろ入りませんか?」

「でも先生。脚がちょっと…」

「先生!美有希、まだ『脚が痛い』って言ってるじゃん!」

「大丈夫!あと15分くらいだから。脚ケガとかしたら、僕が責任を取りますから」

そう言って、ニッコリと笑ってみせる。

「…」

「じゃあ…やります」

「美有希…」

由起は、心配そうに美有希を見ている。

「よし、決まり!入って!」

由起は、万里をキッと睨(にら)み付け、縄に入っていった。


「せーの!い~ち、に~い、さ~ん──」

“やっぱり仮病だったんだな。一番よく跳んでるよ…”

美有希は真ん中で一番高く跳び、引っ掛かることは一度も無かった。

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