アジトにて
レザーのモーターサイクル・コートは、まるでビンテージな軍服だった。
……選択を間違えたかな? これじゃレトロ映画に出てくるバイク乗りだ。
でも、バイクに乗るならレザーが良いらしいし、上から羽織る方が色々と融通も利く……というか『路地裏の店』で買った防具があるので、ライダースーツは選べない。
動作確認を兼ねてスルー・ポケット越しに
しばし悩むも、意を決して
当然に
万が一の事故を考えたら好ましくないけれど、俺の技量では
危険と引き換えにしてでも、簡単な方が良い。その為にわざわざ最新の銃を買ったのだし。
しかし、この
漫画のような
だが多機能とのトレードオフなのか壊れにくかった。
気に病むのは止めにして
戦闘中に
そんな俺の準備を見ていた
「鉄砲だけで良いんですか?」
「てっぽうって……ハンドガンだけで十分だ。一応は色々と買ってあるけど、長物やグレネードなんて……下手したら大量虐殺になっちまう。お前も、できる限り実弾銃は使うな」
なんとビビットカラー・モデルすら存在し、詳しくなければ玩具と見間違えかねない。
そして
しかし、それでいて発射されるのは
護身用なんて生易しいものじゃなく、軍に正式採用された実績すらある、歴とした殺人兵器だ。
「できれば
そうテイザー銃を振ってみせる。
これも知らないと玩具にしか見えないが、ようするにワイヤー式のスタンガンで、かなり強力な制圧能力を持つ。
だが非殺兵器としては無類に近い高性能なものの、至近距離限定で単発式な上、偶に相手を無力化させられない。
つまり、どうしても銃器など他の保険を必要とした。
「というか、なるべく前線へ出るな。荒事になるようだったら、俺がやる。お前はバックアップ。この役割分担に納得したはずだぞ?」
「了解してますよ、
……こいつ、分かってねぇな。
しかし、だからといって護身用の武器を取り上げるのは悪手か。危険だからと大人しくしてるような玉でもないし。
半ば諦め気味に首を振り、相棒――
「ポゥ!」
「……この子、しゃべるんですかッ!?」
「そんな訳あるかッ!
もちろん偶然に決まっている。いくらゲームの世界だからって、バイクが喋る訳がない!
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