第74話『合同練習~トゥインクルエンターテインメント~ 2』

 前座に出演する男性アイドルの一覧を見ていたヒカリさんが突然大声を上げた。


ヒカリ「いっ、五十嵐いがらし珠琴みこと!?」


「どうしました?」


ヒカリ「お……幼なじみと同姓同名なんだよ。」


れいむ「苗字も名前も珍しいし、その人なんじゃな~い?」


ヒカリ「えっ、そ、そうなのかな!?」


ヒカリさんが頬を赤くする。


佑巴「好きなの。」


ヒカリ「いやいや、もう何年も会ってないし。けどまぁ……仲は良かった。」


れいむ「へ~?」


愛里「ほなっちゃん、どうしたの?紙をじーっと見つめて。」


帆夏「あ、ううん。Eternal Cometエターナルコメットなんだなぁって思って。しかも同じ事務所。この、#不知火__しらぬい__#くん、うちの生徒会副会長なんです。」


巳海「へー!生徒会長も副会長もアイドルやってるんだ!すごいね~!」


冥賀みょうがさんと同じユニットですね。」


帆夏「はい。冥賀さんって、どんな方なんでしょうね。」


愛里「聞いといてよ。」


帆夏「はい、聞いてみます……!」


と、そこへ、ダンス講師が到着した。


「「おはようございます!!」」


ダンス講師「おはよう。アップは?」


巳海「やりました!」


ダンス講師「よろしい。男子の件も聞いた?」


帆夏「はい。」


ダンス講師「妙なのが始まったよねぇ。エイチフェスの前座なんて、聞いたことない。」


「そうですね。」


ダンス講師「ま、私たちは私たちのステージを盛り上げるのみ。男子の方は全然知らないのよ。この子くらい、土倉つちくら岳人がくと。ほら、この子は小さい頃に彼の振り付けやってたから。」


「前も芸能活動をしていたんですか?」


ダンス講師「あれ、岳人知らない?ディグニタイルドの。」


佳子「ディグニタイルド!?あの、ですか?」


ダンス講師「そうだよ?」


ディグニタイルド、約10年前、一世いっせい風靡ふうびした人気小学生ボーカルユニットだ。「がくとくん」か、そうか……。


遥「なんか、男子の方もすごいっぽいんだね~」


彩乃「気合を入れていかないとだね。」


ダンス講師「そうよ。こっちで言ったら……佑巴ちゃんみたいなレベルのダンサーとか、舞央ちゃんレベルのシンガーが、うじゃうじゃいると思ってた方が良さそう。あ、そうそう。お願いしてた動画、ありがとね。」


遥「どうでした!?」


ダンス講師「まずまず。じゃあ順番に、改善点を伝えていくよ。」


「動画……?」


ダンス講師「そ。各ユニットでのパフォーマンス、4ユニットもあってここで見るのは時間かかるから、撮ってきてって言ったの。別にサボりたいわけじゃないからね?いや、うそ。ほんとはサボりたいだけ。」


「あはは」


ダンス講師「マネージャーにも送っとくよ。」


「あっ、はい、ありがとうございます!」

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