第34話『友達になろう 終』

 翌日、土曜日。DEMUREデミュアの3人はダンスレッスンの2時間前に集まっていた。3人でたわいない話をしながらストレッチをする。


れいむ「そういえば、2人は今日は学校無いの?」


佑巴ゆうは「無い。」


ヒカリ「あったら来てないよ。」


れいむ「たしかに。」


ヒカリ「よし!打ち合わせをするぞ!」


佑巴「うん。」


れいむ「最初は」


3人でフリを確認しながら、合わせるところを打ち合わせる。


れいむ「ここはヒカリちゃんと佑巴ちゃん、手の高さをしっかり合わせないとだね。」


ヒカリ「うん。どのくらい?私このくらい上げてる。」


佑巴「うーん……それじゃちょっと低いと思う。ダラってして見える。このくらいは上げてる。」


ヒカリ「おっけ、頑張る。」


れいむ「うんうん」


佑巴「このあとれいむ、足ちゃんと伸ばして。」


れいむ「はいぃ。意識がどうしても手に行っちゃうんだよねぇ。」


ヒカリ「分かるそれ!」


佑巴「うーん……それは、頑張るしか……」


ヒカリ「はい」


れいむ「頑張ります!」


ヒカリ「なぁ、次、踊ってるとこ、動画撮ってみようぜ!」


れいむ「いいね」


ヒカリ「じゃあ、私のスマホで撮るね。よし、いいよ、動画始まった!」


佑巴「曲、流すよ。」


れいむ「はい!」


曲が始まり、踊り出す。先ほど打ち合わせたところを3人それぞれが意識して、目配せしながら踊る。


ヒカリ「よし、撮れた!ほら来て!」


れいむ「はいはい見ましょう」


佑巴「どうかな。」


ヒカリ「……え……」


映っていたのは、ついこの間までとは打って変わって、楽しそうに踊る3人の姿。


れいむ「……こんなに変わるもん?」


佑巴「私たち、楽しそうにしてる」


ヒカリ「また泣きそうになってんじゃんか!」


れいむ「泣かないのよぉ~」


佑巴「嬉しい。もっとやりたい。」


ヒカリ「やろうやろう!ここ、もっと合うだろ!」


れいむ「うん。完璧にしよ。」


 そして、ダンスレッスン直前。


ヒカリ「よっしゃー!今日は絶対に上手くいく!」


れいむ「うん……!とはいえ……あれだけ怒られたし、会うのはちょっと気まずいねぇ」


佑巴「そうかな。」


ヒカリ「別に気まずくないよな?」


れいむ「鬼メンタル。」


講師が入ってくる。


ダンス講師「おはよう。」


ヒカリ「おはようございます!」


佑巴「おはようございます。」


れいむ「お、おはようございます~」


ダンス講師「それで、やめるかどうか、決めてきたの?」


ヒカリ「はい。続けます。」


佑巴「やめません。」


れいむ「もう一度だけチャンスをください。」


ダンス講師「ふーん……。じゃあ踊って見せなさいよ。」


講師が曲をかける。3人はさっきの打ち合わせの成果を存分に発揮した。


ダンス講師「何よ……やればできるんじゃない!」


ヒカリ「今の良かったですか!?」


ダンス講師「まぁ……及第点きゅうだいてん。」


れいむ「う、手厳しい……」


佑巴「でも最悪ではなかったんですよね。」


ダンス講師「うん。あとは個性出し。あなたたちはダンサーじゃないの。さぁ、今日もやるわよ!」


DEMURE「はい!」


もともと個々の能力は高いDEMURE。これからぐんぐん伸びていくことだろう。

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