第29話『友達になろう 1』
今日はダンスレッスン中の
ダンス講師「やる気がないなら出ていきなさい……!!」
小窓から中を覗くと、DEMUREの3人が
ダンス講師「
佑巴「……」
ダンス講師「れいむ、あなたもよ。アイドルを本気でやる気がない子はエイチフェスに出る資格はないの。」
れいむ「……」
ダンス講師「ヒカリ、あなたもよ。」
ヒカリ「えっ」
ダンス講師「あなたのやる気は、空回りしてる。このままじゃDEMUREは外へ出せないわ。見てみなさいよ周りを。
ヒカリ「……」
ダンス講師「今日は終わりです。よく考えてきなさい。やめるのか、続けるのか。やめるなら早めがいいわ。まだファンが少ないうちにね。」
ダンス講師の
ダンス講師「あ……来てたのね。」
「はい。」
ダンス講師「DEMUREの世話、頼んだよ。」
「はい。」
私が部屋に入ると、ヒカリさんは立ち尽くしたままだった。
「お疲れ様です。」
れいむ「お疲れ様です。」
佑巴「……」
ヒカリ「……今の、聞こえてたか?」
「はい。すみません。」
ヒカリ「……」
佑巴「帰ります。」
ヒカリ「待てよ!」
佑巴「家に帰ってゆっくり考えます。やめるかどうか。」
佑巴さんは差し入れも受け取らずに出て行ってしまった。
れいむ「……私も帰ろうかなぁ。ヒカリちゃんは?」
ヒカリ「……」
「あ、差し入れです。よろしければ。」
れいむ「あぁ……すみません。こんなんなのに。ありがたくいただきますね。それじゃ、お疲れ様でした~。」
れいむさんも帰ってしまった。
「ヒカリさん。大丈夫ですか。」
ヒカリさんの瞳から大粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた。
ヒカリ「なんで……なんでっ……」
「……」
ヒカリ「マネージャー、私たち、どうしたらいいのかな、どうするべきだったんだよ、ダンスレッスン、頑張ってんのにっ……!」
「……ヒカリさんは、DEMUREには何が足りないと思いますか?」
ヒカリ「……足りないもの……?」
「はい。」
ヒカリ「……やる気?」
「いいえ。コミュニケーションだと思いますよ。3人でご飯にでも行ってみたらどうですか?」
ヒカリ「えっ、3人で?怖いよ……」
「大丈夫ですよ。」
ヒカリ「……まぁ、けどマネージャーが言うことは正しいもんなぁ、だいたい……」
ヒカリさんは私から受け取ったゼリー飲料を吸いながら、
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