第11話『UTOPIA』

 今日はUTOPIAユートピアに呼び出された。呼び出されるのは少し怖いな。この間のDEMUREデミュアみたいなことになるのは勘弁だ……。


かおる「マネージャー!来てくれたんだね!嬉しいよ!」


陽菜子ひなこ「すみません、わざわざ……」


「いえいえ。どうしたんですか?」


愛灑あいさ「いつも頑張ってるマネージャーに、プレゼントだよ~」


愛灑さんが私にクッキーが入った袋を渡してくれた。


「えっ、いいんですか?」


陽菜子「みんなで作りました。」


華雪かゆき「この間、薫さんのおうちで、エイチフェス出演決定おめでとうパーティーをしてたら、なんだかクッキーを焼きたい気分になったんです~」


「4人でパーティーをしたんですか?」


華雪「はい!」


「仲良しですね。」


薫「仲良しですよ~!」


愛灑「3人は私が寝てても何にも言わないもん。」


陽菜子「寝られるのは困りますけど……」


華雪「パーティー、楽しかったですね!また4人で遊びたいです!」


薫「そうだね!」


陽菜子「マネージャーさん、ほんとにこんな用事でわざわざ呼び出してしまってすみません。」


「いえ。ありがとうございます。大切に頂きますね。」


薫「たくさん焼きすぎたね!奏那そなにもあげて、アルカン(ARC-EN-CIELアルカンシエル)にも配ってもらったんだけどなぁ。」


「はとこ、でしたっけ?」


薫「うん!昔から可愛いよ、奏那は。」


陽菜子「私も梅香うめかに渡して、マリメロ(Marionette Melodyマリオネットメロディー)に配ってもらいました。」


愛灑「じゃあ私も、Candy Rainキャンディーレインに分けちゃおっかなぁ~」


「Candy Rain?」


愛灑「うん。あやちゃんは、モデル事務所のお友達だよ~?」


「あぁ、そうですか!」


薫「……奏那に会いたくなってきたね。可愛い奏那に。」


陽菜子「薫さん、普段はカッコよくて素敵なのに、奏那さんのこととなると、途端に残念になるんですよねぇ。」


華雪「それはそれで、またいい所ですよね!」


UTOPIAは結成1年と少し、最年少の華雪さんと最年長の愛灑さんの年の差は5歳のユニット。


愛灑「今から何?」


陽菜子「ダンスレッスンです。」


愛灑「えー……また?」


華雪「頑張りましょ!」


愛灑「うー……」


薫「愛灑はやればできる子だよ。」


愛灑「やればできる……?そう……?」


陽菜子「そうですよ。」


愛灑「えー……」


華雪「エイチフェス、成功させましょうよ!」


愛灑「うー……」


陽菜子「あ、そうだ。今日はレッスンの後、すぐに帰りますね。梅香を迎えに行かないといけないんです。」


薫「いつも感心だね。」


陽菜子「梅香のお世話は、私の使命ですから。長生きしてもらわないと、困ります。」


愛灑さんのやる気さえ出れば、きっとUTOPIAはもっと輝く。なんとかしないと。

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