第1話 猫と宝石とごろつき船

GM:それでは、ミニCP第1話『猫と宝石とごろつき船』。

  開始していきます!皆様よろしくお願いしますー!

PL共:よろしくお願いしますー!(拍手がうるさい)



 前回の話し合いから数日、参加者5人は同じボイスチャットサーバーに集合しました。

 さぁ、いよいよセッション開始です!



##始まりは冒険者ギルドで


 アルフレイム大陸はブルライト地方南部、“導きの港”ハーヴェス。

 街中に水路が張り巡らされ、巨大な港をもち、様々な人種職業が出会うこの地。

 そこのある冒険者ギルド……『中年太りのドルフィン亭』から冒険は始まります。


GM:ということで好き勝手日常描写しててください

ラム:ギャンブルで先輩冒険者に負けて借金します。50ガメルでいいですか?

GM:動きが鮮やかすぎるんだよなぁ!いいよ!

リュミエル:いいのか……?

ラム:わーい(かきかき)。もっと貧乏になったぞー

シルバー:もう楽しんでんじゃねぇか貧乏をよぉ

サノウ:「これ娘っ子、そんな事で大事な金を減らしてはいかん。奴隷に売られてしまうぞ」

   と、ラムちゃんを脅かしておくのじゃ

ラム:「うー……ボクはただ安全な方法でお金を稼ぎたかっただけなのに……」

シルバー:じゃあ、そうだな。ギルドの隅っこで酒飲んでたんですけど、すくっと立ち上がって

    「嬢ちゃん。なんだ、観光客か?」と、ラムちゃんに絡みます

ラム:「観光するお金ないです……」ぷるぷる涙目で震えてます。耳はぺたってしてる。

シルバー:じゃあちょっと気の毒になって

    「おい先輩、次は俺とやろうぜ。俺が勝ったら、このレプラカーンの借金はちゃらだ」

GM/先輩冒険者:「おぉん?ナイトメアか。良い度胸じゃねぇか

         お前らは戦闘じゃ強いが、ギャンブルじゃ負けねぇぜ」

        先輩冒険者は勝負を買うよ。

ラム:「ナイトメアさん……!良いひとです!」

シルバー:「たしかにナイトメアだが、俺には『シルバー』って名前があるんでな」

サノウ:「シルバーなる若造、勝ち目はあるのか?一体どうするつもりじゃ?」

シルバー:「どうするって……」

    ………どうしよう?GM、どうすればいい?

GM:そうだなぁ。どうしよう。判定する?

シルバー:失敗したらかっこ悪いからやだ

GM:こいつ……じゃあ、次来る客は男か女か、という勝負だとしよう

シルバー:おっ、いいじゃん。

    こっちにはまだ登場してない仲間がいるんだぜ?

リュミエル:おっ、私の出番か?

GM/先輩冒険者:「じゃあ、次あの玄関をくぐる奴が男か女か、これで勝負を決めようぜ」

シルバー:「いいじゃねぇか。それならイカサマのやりようがねぇ。それで決めた」

GM/先輩冒険者:「けっけっけ。ここは冒険者ギルドだぜ?あらくれの集まる所だ。

         つまりやってくるのは、皆屈強な男ってことさ。

         俺は男が来るのに賭けるぜ!」

ラム:「すごい、理にかなっててずるいです!」

サノウ:「うーむ、これは勝てるのかのう?」

シルバー:「いいぜ、じゃあ俺は女に賭ける……」

GM/先輩冒険者:「吐いた唾は飲むなよ!」

リュミエル:……そうだ、シルバー。私たちが以前からの知り合いという事にしようじゃないか

シルバー:お、いいぞ。じゃあ意味深に「そろそろだな……」とか呟いておこう

リュミエル:それならば

     「おいシルバー!約束通りこの時間に来たぞ!メシを出せ!」

     と、ずかずか玄関をくぐろう!

GM/先輩冒険者:「なにぃ!?女!?」

シルバー:「勝負は俺の勝ちみたいだな。ようリュミエル。メシは奢らねぇぞ」

リュミエル:「馬鹿な!今日は財布の中に1ガメルも無いんだぞ!?」

GM/先輩冒険者:「ちっ……最初から仕組んでやがったのか。俺の負けだ!」

ラム:「わーい!借金がちゃらになりました!」

サノウ:「おぉー!勝ったのじゃ!」拍手しておくのじゃ


リュミエル:「……まさか私を使ってギャンブルでもしたのか?」

シルバー:「察しがいいじゃねぇか」

リュミエル:「まったく……まぁ、助かった者も居るようだし、いいだろう」

     と、若干にこやかにラムちゃんとサノウさんを見てるぞ

     「この方たちは?」

シルバー:「あいにく、今知り合ったばっかだ」

ラム:「わわっ!ぼ、ボクはラムと申します。助けてくれてありがとうございます……!」

サノウ:「わしはただ見物しておっただけじゃが……サノウじゃ」

リュミエル:「ふむ、私と同じ駆け出し冒険者のようだな……

       私はリュミエル。なにかお役に立てたなら光栄だ」


 さすがは熟練のプレイヤーたちです。

 流れるように合流しました……いやぁ、マスタリングが楽でいい。

 集まって一息ついたようなので、私はシナリオ開始のイベントを起こします。


GM:じゃあ、キミたちが集まって談笑していると、ギルドに息せき切って入って来る人がいる

リュミエル:ほう?

GM:小太りで、あからさまに高い服を着ていて、脂汗がひどい。

  そしてギルドに入るなり声をあげるぞ

  「誰か、我輩の猫を捕まえてくれ!急ぎだ!見つけた者には4000ガメル出す!」

PL共:よんせんガメルぅ!?

シルバー:え、でっか。GM報酬間違えてない?


 普通の初期作成の冒険は、報酬500ガメルとかだからなぁ


GM:まぁ理由は今から

  「期限は今日中だ!急いでくれないか!」とわめく男を、ギルド職員が抑えるぞ

  どうも、ギルドを通して正式な依頼にするらしい。

  その10分程度の話し合いの間ももどかしいように、小太りは足踏みしていたぞ

ラム:本当に急ぎみたいですね……これは儲けられますよ

サノウ:うむ。わしも興味が出てきたぞ

GM:で、依頼書が掲示板に貼りだされます


▼依頼:猫をさがして▼

依頼人:コブトーリ・モッツァレラ

報酬:発見者に4000ガメル

期限:本日中

内容

:モッツァレラ氏の飼い猫が逃走中。街のどこに行ったか分からない。

 本日中に発見し、連れ帰ってほしい。

 飼い猫の特徴は、『首輪に大きな赤い宝石がぶら下がっている、ぬいぐるみみたいな黒猫』。

 首輪も毛皮も、傷一つなく連れ帰ること。

▲         ▲


シルバー:なるほど、発見者に4000ガメルだから、4人パーティで割ると1人1000ガメルか

サノウ:それにしてもでかいのう。普通500ガメルとかじゃろ。1人。

リュミエル:うむ。報酬を抜きにしても、ペットと離れ離れは心苦しいな。

     早く見つけてあげなくては。

ラム:ぜひ受けたいですね

GM:周囲の先輩冒険者たちも動き出すぞ。

  でも、報酬総取りのためにソロで動く連中が多いね。

  ギルドマスターは「早い者勝ちだ!さぁ猫を探せー!」と煽っている。

リュミエル:「私たちも行かなくては。シルバー、手伝ってくれるか?」

シルバー:「任せな。ハーヴェスは俺の庭だぜ?」

サノウ:「ふむ。そうじゃな。わしも混ぜてくれんか?魔法使いが居て損は無いぞ」

ラム:「あぅ、その、ボク斥候です!お役に立てると思います!手伝うので報酬分けてください…」

GM:素直だなぁ

シルバー:「お、こっちとしても人手が多いと助かるぜ。

      先輩冒険者も競争相手なんだ、数が無くっちゃな」

リュミエル:「うむ。皆で力を合わせ、猫ちゃんを家に帰してやろう」

ラム:「やたっ!これで屋根があるところで眠れます……!」

サノウ:「不憫な娘じゃのう……」という感じで、パーティ結成じゃな!


 パーティ結成!本格的に、冒険開始です!



##捜査パート##



GM:公式のハーヴェスと同じかは分かんないけど、とりあえず地図を出すよ。

   さぁ、好きな場所に行って捜索開始だ!


 私がマップ画面に出したのは、いくつかのアイコン。

 水路の街地図の上に、行けるスポットが駒として設置されています。

 今設置されているのは、

 「市場」「港」「貧民街」「冒険者ギルド」の四つ。

 さぁ、冒険者たちはどこから捜査するのでしょう。


シルバー:猫だし、市場で魚でも咥えてんじゃね?

サノウ:うむ。メシがあるから可能性は高いの……じゃが、それだと港も選択肢に上がるのう

リュミエル:ギルドで調べることなんてあったか?

ラム:あ、ギルドだったら、さっきの小太りさんから話が聞けるんじゃないでしょうか?

全員:それだ!

シルバー:じゃあGM、まずはギルドで小太りから話を聞くぜ

GM:それでは、皆さんは奥の部屋に通されます……


 密談用、依頼人と話す用の狭い部屋。

 依頼人の小太り……コブトーリ・モッツァレラは、そこで落ち着かない様子で座っていました。


GM/小太り:「な、なんだ冒険者ども!早く探しに行かんか!」

サノウ:「これが人に物を頼む態度かのう」

GM/小太り:「我輩は高い金を払っておるのだぞ!」

ラム:……なんか、いやな人ですね

リュミエル:うむ。依頼にもなにか裏がありそうだな。

GM:いやぁどうなんでしょう

シルバー:「探したいのは山々なんだけどよ、もっと詳しい話を聞かなきゃ探すに探せねぇんだよな」

GM/小太り:「ぐぅ、無能らめが……何を聞きたいんだ。猫のためなら何でも話そう」

シルバー:ちょっといらっと来るな。

     ……で、何聞けばいいんだっけ

ラム:どこで猫を見失ったのか、とかですかね?

シルバー:じゃあそれだ。そのまま聞くぜ

GM/小太り:「見失ったのは我輩の屋敷だ。庭から出ていくのを見た」

シルバー:「屋敷?どこだ?」

GM:じゃあ行ける場所に、『モッツァレラ邸』が追加されたよ。

リュミエル:チーズでできてそうだな

ラム:加齢臭ですかね

GM:まぁ、目の前の依頼人もそんなお年頃の臭いがするよ

ラム:リュミエルさんの後ろに隠れます

リュミエル:加齢臭から若い女の子を守るのも、騎士の役目だな

サノウ:それでいいのかのう……

    ふむ。しかし猫の特徴も依頼書に書いてあったから、聞く事はもうなさそうじゃの

リュミエル:あ、そうだ。名前とかどうだろう

シルバー:おぉ。そういえばまだ聞いてないな

リュミエル:「モッツァレラ殿。そういえば、件の猫ちゃんの名前などは?」

GM/小太り:「名前……?」

リュミエル:「いえ、呼びかければ出てくることもあるかと」

GM/小太り:「名前、名前は……」と悩みだします

シルバー:「名前つけてないのか?」

GM/小太り:「……そ、そうだ。実は娘が飼っている猫でな。我輩はよく知らないのだ」

サノウ:ほう、娘さん。「猫は娘さんに懐いていたのかの?」

GM/小太り:「た、多分そうだろう」

シルバー:怪しいな。「娘さんはどこに?」

GM/小太り:「そ、そんな事どうでもいいだろう!さっさと探せ!時間はないのだぞ!」

ラム:うーむ……?

GM:小太りはもう話す気はなさそうだよ

サノウ:「猫が娘殿になついておるのなら、その娘を出せば猫も来るのではないか?」

GM/小太り:「……娘は寝ておるのだ。病気でな、屋敷の外には出せん」

サノウ:「なるほどのう」

シルバー:なんかこの依頼人怪しいぞ?騙して悪いがされないか?

ラム:正直心配してもどうにもならないと思います。私今晩の宿代も無いですし

リュミエル:私もだ

サノウ:怪しいけれど、金優先じゃの

シルバー:そっか……まぁ、まだ実害も出てないしな。調査続行

サノウ:次の行先としては、モッツァレラ邸じゃろうな。足跡でも見つかればいいのじゃが……


 こうして一行は一路モッツァレラ邸へ。

 小太り、コブトーリ・モッツァレラのその屋敷は、港近くに建っています。

 崖の上に建っていて、海が一望でき、中々の広さです。


ラム:貴族かなんかなんですかね。お金持ち羨ましいです。

シルバー:まぁ、4000ガメルぽんと出すくらいだからなぁ

サノウ:とりあえず庭を調べてみるかのう。スカウト・レンジャー組任せたぞい

リュミエル&ラム:はーい

GM:じゃあ探索判定。目標は8だよ

リュミエル:(ころころ)12。余裕

ラム:(ころころ)8!ぎりぎりです

GM:じゃあ、2人成功したから、2つ見つかるよ

シルバー:おぉ?

サノウ:ないすじゃのう。どれ、何が見つかったかの

GM:まず一つ、ラムは猫のものらしい足跡を見つけるよ。市場の方に向かってる。

ラム:おぉー!

GM:そんで、リュミエルは地面すれすれに、鉄格子の窓みたいなのを見つけたよ。

リュミエル:む?どういう感じのだ

GM:ほら、地下牢への通気口みたいな感じの。

  猫だったら鉄格子の隙間をすり抜けられるかなってサイズで、その向こうは暗くて見えない。

  猫の足跡はここから、さっきラムが見つけた方に続いてるみたい。

リュミエル:報告しよう

ラム:かくかくしかじかです

サノウ:なるほど、猫はここから逃げたんじゃな

シルバー:ほぉー。猫は地下牢に居たのか

ラム:ふつう、お屋敷に地下牢ってあるものなんですか?

GM:サノウは見識判定していいよ

サノウ:ふむ(ころころ)あっぶな!ファンブルする所じゃった。8じゃ

GM:出目1と2か……でもタビット特有の頭の良さで知ってました

サノウ:知ってたのじゃ!

GM:古い貴族の家には、けっこうあるみたいです。地下牢。

サノウ:この屋敷は古いのか?

GM:いや、大分新しい。地下牢があるのはあんまり自然じゃないです。

サノウ:怪しいのう……

ラム:ボクの暗視で見えませんか?

GM:お、暗視持ちが居たか。じゃあ見えます。

  窓のすぐ下に人影がある気がするけど、角度的によく見えません。

ラム:お、「誰かいませんかー」と声を出してみます。

GM:反応はないね

ラム:むぅ……人影をはっきり見たりできませんか?

GM:そのためには鉄格子を壊す必要があるけど、それは依頼人にとって良くないだろうね

シルバー:やめとくか!

ラム:やめときましょう!

サノウ:うーむ、伏線がばら撒かれているようじゃな……


 一行は鉄格子の向こうの捜査を打ち切り、猫の足取りを追います。

 足跡が続いていた先、市場の方です。

 庭の土は途切れ、石畳の道になり、足跡は消えました。

 手がかりは消えたように思われましたが、周囲を見れば、市場の商人にたくさんのお客さん。

 ここの人たちならば、何か知っているかもしれません。


シルバー:聞きこむぜ。イケメンだから何かボーナス無いか?

GM:ボーナスが出るとしたら、お金で話を聞くとか、具体的な質問の内容とかかな

リュミエル:私に支払える金などないぞ

ラム:同じく

サノウ:質問内容を練るかの、といっても、依頼書にあった特徴を聞けばいいんじゃろうが

リュミエル:『大きな赤い宝石がぶら下がった首輪、ぬいぐるみみたいな黒猫』だったな。

シルバー:じゃあ、それを見たことがないか!って感じで聞きこむぜ

GM:具体的な質問内容だから、難易度が下がるよ。目標12

ラム:いや高いですねぇ

GM:判定は冒険者レベル+精神力ボーナスだよ

リュミエル&サノウ&シルバー:むりぃ!

ラム:あ、クリティカルしました

他のやつら:ないすぅ!!

GM:じゃあ、ラムは手頃な情報を捕まえるよ

ラム:一体どこに行ったんでしょう、猫さん

GM/商人:「その猫は見たよ。ただ、今朝誰かに運ばれてったな」

ラム:「へぇ、その人の人相とかはわかりませんか?」

GM/商人:「人間で、ガラが悪くて、青色のバンダナで……」としゃべるぞ

ラム:「ありがとうございます!」進展しました

GM:でね、クリティカルで追加情報が手に入るよ

シルバー:おぉ!

GM:どうも、この辺で最近、宝石泥棒が出てるらしい

リュミエル:ふむ?

GM:その泥棒の人相が、さっきラムが聞いた情報と一致するんだ。

ラム:ほへ?

サノウ:なるほど、猫の首輪の宝石が狙われたという訳じゃな

ラム:あー!

リュミエル:まずいぞ。このままだとどこかに売り飛ばされてしまうかもしれない

シルバー:猫が運ばれてったのって、今朝って言ってたよな。今何時くらいだ?

GM:午後2時とか。

シルバー:結構経ってるな……

GM:あ、そうだ。シルバーはハーヴェスの貧民街出身だって言ってたよね

シルバー:ん?それがどうした?

GM:じゃあ、シルバーは盗品高価買取のお店が、貧民街にある事を思い出すよ

PLズ:おぉ!

シルバー:もう売られてるかもしれないな。行けば猫に会えるかも

リュミエル:お手柄だぞシルバー。スラム生まれも役に立つな

シルバー:ラムが見つけてくれたからだぜ

ラム:イケメンムーブ腹立ちますね

シルバー:おっと喧嘩か?

ラム:はっ。いけません中の人の声が。ラムちゃんは純情なので赤面して顔隠しておきます

シルバー&GM&サノウ:かわいい

リュミエル:かわいい

ラム:にゃー!

サノウ:やはり女子はいいのう。まぁ、次はその盗品屋かの

GM:ごーごー!


 だんだん猫に近づいて参りました。

 一行は順調に歩を進め、午後三時頃、悪臭のする貧民街の一つのお店にたどり着きます。

 『サムスンのご機嫌質屋』と名付けられたお店。

 貧民街の道を知っているシルバーが先頭で、扉をノックします。


GM:では、中から「どうぞお入りになってください」と声が返ってきます。

シルバー:よし。入るぞ。お邪魔しまー

GM:じゃあシルバーは危険感知判定ね。目標値8

PL共:えっ

シルバー:(ころころ)……6!失敗!

GM:じゃあ不意打ちを受けるよ

PL共:なにぃぃぃーー!?


 さぁ、何を間違えてしまったのでしょうね。

 ヒントは、盗品取り扱いなんていう怪しい商売をする場所が、ただノックしただけで入れるのか。

 とにもかくにも、やってしまったならしようがありません。

 ということで……さぁ、戦闘です!


##貧民街の死闘


 盗品買取店の玄関を開いたシルバーたちに襲いかかってきたのは……?


GM:じゃあ戦闘開始。今回は基本戦闘ルールだよ

シルバー:ちょっと待て事態が急すぎる。なぜ!?なにが!?

GM:実はこのお店、盗賊ギルドが運営しています。

サノウ:ふむ、盗品の取り扱いじゃからの

ラム:どうりで、ここまでの道の描写がねちっこくて暗い感じだったんですね

GM:盗賊ギルドは、仲間と敵を見分けるために、合言葉とか決める訳ですよ

リュミエル:……合言葉とか、調べてないな

シルバー:なぁるほどぉ。合言葉を言わなかったから、敵だと

GM:誤解を解くなら敵を戦闘不能にしてからです。

  では改めて戦闘!不意打ちが成功したので、敵が先攻です。

  敵は二種類いるよ。

ラム:んあー!!

サノウ:とりあえず魔物知識判定じゃな(ころころ)どっちも11じゃ

GM:じゃあ『匪賊の雑兵』が3体と、『機転の利く軽戦士』が1体です

サノウ:っかー!強敵じゃの。雑兵はまだしも、軽戦士の回避が高い。

リュミエル:ぐぬぬ……戦闘準備でシルバーを《かばう》ぞ

GM:ふっふっふ。それでは戦闘配置をしてくれたまえー


 結果、こう。

  自軍後方:サノウ、ラム

  前線:シルバー、リュミエル、雑兵A、雑兵B、雑兵C、軽戦士

  敵軍後方:なし

 前がいっぱいです。


 そして敵の行動。


GM:雑兵たちから動くよ。対象はシルバーとリュミエルからランダムで(ころころ)

  ……全員リュミエルだよ

リュミエル:ぐわぁ


 1回だけ回避して、4点、5点と小さいダメージが積み重なり……

 リュミエルのHPはもう半分の9!(「HP低すぎないかの?」「生命力ピンゾロしたからな」)

 弱っているリュミエルを狙い、敵親玉の軽戦士もリュミエルを狙います


GM:命中12ぞ。避けてみせい

リュミエル:(ころころ)……出目9、基準値3足して12!ぎり避けた!やった!

ラム:せーふ!!

GM:それじゃあ、皆さんのターン!

サノウ:うーむ、今回は最後に動かせてくれんか

シルバー:分かったぜ爺さん。じゃあ俺からだ。

    《魔力撃》を宣言して雑兵Aを攻撃!

    命中は……(ころころ)12!

GM:命中だぞ

シルバー:よっしゃダメージ(ころころ)……17点ダメージ!

GM:防護点で3点止めて、残り6!

ラム:でっか……

リュミエル:じゃあ私が弱ってる奴をだな

サノウ:まぁ待て若いの。残りHP6なら、わしの魔法で確殺できる。残りの奴を頼めんか?

リュミエル:おぉ!それなら元気なBを狙おう(ころころ)

     まぁ命中しないから関係ないか

ラム:次はボクですね(ころころ)命中して(ころころ)6点!

GM:Bはまだまだ元気だな

サノウ:ではわしの番じゃ。必殺【ウルフバイト】!!必中じゃ!

   行使判定は(ころころ)……ぴんぞろ?

GM:じゃあ不発ですね

サノウ:ぬぁにぃ~~~~!?!?


 さぁ出目が荒れております。

 けれど敵は待ってくれません。

 弱ってる者から狙うという盗賊ギルドらしい戦略で、リュミエルに集中!

 (「ビートルスキン忘れてた!」「あぅぅヒールスプレーもですぅ!!」)

 ですが、その防護点に助けられ、リュミエルは1点しかダメージを受けませんでした。

 なんと親玉の軽戦士の攻撃まで回避。

 ツキはリュミエル達に向いています。


サノウ:節約とか言ってられんの。フルパワー支援じゃ。

   補助動作で【ウィングフライヤー】をわし以外全員に。

   主動作で【ウルフバイト】じゃ

シルバー:ありがとう爺さん!

サノウ:行使判定は……(ころころ)ピンゾロじゃない!成功じゃ!

    ダメージは、(ころころ)8じゃから9点!くらえー!

GM:ぐあぁ。雑兵Aはやられました!

シルバー:よぉしいい流れだ。《魔力撃》!いくぜ命中!(ころころ)当たった!

    ダメージは(ころころ)15点!

GM:雑兵Bは大きくふらつくぞ。残りHP5点!

リュミエル:よぉし私が落とす。観念しろぉ!

     (ころころ)ぎりぎり命中して(ころころ)7点!

GM:雑兵Bはひん死やぞ!

ラム:と、とどめぇ!(ころころ)命中!(ころころ)6点!


 コンビネーションが決まり、一気に雑兵Bが陥落!

 一瞬にして敵の数が半減しました!

 (「またしてもビートルスキンを!!」「もう節約と割り切りましょう」)

 おっとトラブルがあったようですが、関係ありません。

 敵は容赦なく切りかかります!

 リュミエル回避なるか!!


リュミエル:(ころころ)回避失敗!

GM:じゃあ雑兵Cが9点ダメージを!

リュミエル:へへん、防護点で6点減らすもん

GM:じゃあ親玉ね。命中12!

リュミエル:当たるわけ(ころころ)あったわ

GM:じゃあ11点ダメージ!!

リュミエル:大丈夫防護点あるから……(計算中)……あれ?

シルバー:おぉっと?

サノウ:これは……もしや

ラム:あっ

リュミエル:HP0になったんだが


 >>初戦闘で戦闘不能<<


GM:おぉー!!

リュミエル:ぬわぁぁぁぁぁぁ!!!

シルバー:リュミエルぅぅぅううぅぅぅぅ!!!

リュミエル:せ、生死判定!………

全員:………

GM:ここでピンゾロってある?


 今まで何度も出てきた、ピンゾロという言葉。

 これは、サイコロを2つ振って、両方とも1の目を出すという意味です。

 単純に出目が低いのもありますが。

 ソードワールドでは、このピンゾロ。『ファンブル』という名前でして。

 要するに判定に失敗。

 リュミエル死ぬ。


リュミエル:さよならだな皆。短い間だったが、楽しかったぞ?

サノウ:リュミエルぅーーーー!!

シルバー:えっうわっあぁ

GM:初めて見たなぁ。PCが死ぬとこ。

ラム:……


 ここでラム、沈黙!

 そして数秒後!


ラム:今日、運命変転使いましたっけ?

全員:あっ

リュミエル:使います!!!使わせて!!!

GM:いいよ!

リュミエル:1の目をひっくり返して、6ゾロ!判定成功!!!

全員:いぃやったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


 リュミエル、人間限定の運命力で生還!

 これには全員肝を冷やしました。

 心臓に悪いったらない。

 なんでシナリオの中盤でこんな盛り上がってるんだろう。


GM:とりあえず、リュミエルは暫く死なないよ。

リュミエル:セーフ。セーフ。

GM:でも気絶だから、次のターン動けないね

シルバー:早く敵ぶっ飛ばして、リュミエル治療すっぞ!

PL共:おぉー!!


 まぁその後もぐだったんですけど。

 結局サノウはMPが0になり、ラムは矢を5本消費し、シルバーも9点ダメージを受けて。

 死屍累々の中、親玉の軽戦士相手にシルバーが大回転大ダメージを出し、辛くも勝利!


気絶リュミエル:アウェイクポーション!アウェイクポーションはよ!!

ラム:はい今すぐにぃぃぃ!!

サノウ:わし今日もう役立たない

シルバー:被害がでかすぎる……!

GM:(そっとボスのデータを修正する)


 いやぁ、ひどい。


リュミエル:ふぅ~~生き返ったわ

ラム:焦りました……

シルバー:とにかく……俺たちの勝利だ!

PL共:うぉおおぉぉ!!

サノウ:……さて、盗品屋の者。洗いざらいしゃべってもらおうかの。


 用心棒が全滅したので、盗品屋の店主は洗いざらいしゃべりました。

・たしかに、宝石の首飾りをつけた猫を買い取ったこと

・盗品はこの街では売れないので、他の街に運ぶため、ある場所に運んだこと


シルバー:「で、そのある場所ってのは?」

GM/盗品屋:「そ、それは………停泊中の、海賊船アル」

ラム:海賊船って普通に停泊するものですか?

GM/盗品屋:「普通の商戦を装って停泊中ね。ワタシ全部話したアル。許してちょんまげ」

GM:ということで、場所もなんもかんも分かったぞ。

  日はそろそろ暮れそうだ。

リュミエル:なるほど、つまりその海賊船を襲撃すれば、猫が取り返せるのだな

サノウ:ふぉっふぉっふぉ。分かりやすくなってきたのう。

ラム:報酬はもう目の前ですね

シルバー:だが、正面から行っても今回みたいに苦戦するだろうな。



 一行は作戦を練るついでに休憩する事にしました。

 なんと言ったって、1人はHP1、1人はMP0ですからね。

 リュミエルが魔香草や救命草などを焚き、その間にラムが戦利品をあさります。


ラム:うぅ、しけてます。130Gにしかなりません……

サノウ:パーティ全体の魔香草を使ってMP10。うぅむ、心もとないのう

リュミエル:私はラムから救命草を1枚貰って、3枚使って、HP全快だ

シルバー:俺は持ってた救命草2枚使ってようやく完全回復

GM:時間的には、そうだな、戦闘含め2時間経ったとして、現在午後5時だよ

シルバー:季節によっては、もう暗くなるな……

リュミエル:襲撃にはちょうど良いかもしれん


 睡眠して回復する、という手もありましたが、一行は時間を惜しんで、海賊船が停泊している場所に向かいました。

 だんだん空が暗くなり始めていて、普通の港にぽつりぽつりと、船を見張る人の灯りが見えます。

 そして、その灯りにぼんやり、暗い海に浮かぶものが見えます。

 こじんまりとした船で、目立つ所もなく……完璧な偽装です。


GM:サイズ的には、サメ映画の冒頭のクルーザーが木造になった感じ。

シルバー:一気に分かりやすくなったな。

サノウ:作戦会議の前に、偵察などできるかの?

ラム:ボク、行きましょうか?

GM:なるほど。レプラカーンの種族特徴[姿なき職人]を使えば、バレずに偵察できるだろうね

  MPを5点消費したら、船のおおよその様子が分かるとしよう

ラム:分かりました!じゃあそうします。

GM:では、こんな事が分かるね


 ・船の甲板から乗り込む感じ

 ・船の甲板に見張りが1人いる

 ・中から灯りが漏れていて、4名ほどで宴会をしている

 ・積み荷は、宴会場の下の船倉に隠されていそうだ


サノウ:見張りを各個撃破したい所じゃな。下手に見つかれば、5対4の状況になってしまうじゃろう。

ラム:どうにかおびき寄せられないでしょうか……?

リュミエル:船に火をつければどうだ?

シルバー:中に猫とか居るらしいからな、避けた方が無難だろう

サノウ:……火をつけるというのは、なんか思いついたの

GM:ほう


 おじいちゃん思いついた


サノウ:近くにたいまつを何本か置いて燃やして、「火事じゃ!燃え移るぞ!逃げろー!」とでも言えばどうかの

リュミエル:積み荷が大事なら逃げないんじゃないか?

サノウ:逃げなくとも、見張り1人の気くらいは引けるんじゃないかの?

シルバー:うーん、良い案も思いつかないしそれで行くか

ラム:ですね。ハニートラップとかせずに済みます

サノウ:見たいのうラムちゃんのハニートラップ

ラム:えぇ……いやです


 この後、たいまつをつけて置き、無害そうなラムが「火事ですー!!」と叫び、見張りをおびき寄せます。

 見張りはまんまと騙され、おびき寄せられました。

 1対4では勝ち目が無いので、見張りは判定もなく無力化に成功します。

 作戦が功を奏し、敵の数が1体減りました!

 しかし……


GM:見張りは、おびき寄せられる前に仲間に「様子を見てくる」と言ったようですね。

  敵は警戒状態に入ったことでしょう

サノウ:うむ。まずは数が減った事が一番じゃ

ラム:不意打ちは不意打ちで判定必要ですしねぇ

シルバー:よし。じゃあ、これでシメだな。

リュミエル:ふっふっふ。盗品屋での借りを返させていただこう

ラム:ビートルスキン、ヒールスプレー、忘れない。忘れない。

サノウ:準備はいつでもよいぞ

シルバー:それじゃあ……


「殴りこみだ!」


 冒険者たちは意気揚々と船に攻め込み、ごろつき達と対峙します。

 警戒していたごろつき達は、武器も鎧も準備していました。

 さぁ……クライマックスです!!


GM:まずは陣営の確認だね。

  敵は「マッチョな親玉」1体と「匪賊の雑兵」2体、あと「匪賊の雑兵っぽいの」が1体だよ

サノウ:見たことないのが2種類も居るのう……魔物知識判定じゃ!

   (ころころ……ころころ……)それぞれ9と13じゃ!

GM:マッチョは「ボルグっぽい盗人」、データはボルグ(MLp69)を人族にしただけ。

   雑兵っぽい奴は「匪賊の弓兵」(MLp211)だよ

リュミエル:よし、魔法使いばかりだ。怖くないな

GM:マッチョは剣の欠片入ってるぞ

リュミエル:なんだ怖いじゃないか

ラム:こんな怖い商売してる時点で怖い人だと思います……

シルバー:とりあえずラム、先制判定頼んだ!

ラム:は、はい!(ころころ)……13!先制取りました!

GM:よし、じゃあ戦闘配置だ


 自軍後方:ラム、サノウ

 前線:シルバー、リュミエル、ボルグ、雑兵A、雑兵B

 敵軍後方:匪賊の弓兵


GM:配置は終わったみたいだね。それじゃあ……戦闘開始!


リュミエル:私から動くぞ!まずはしっかり【ビートルスキン】!防護点アップだ!

     そして、メイスで目の前の雑兵を攻撃!

     (ころころ……)……ピンゾロ!!

     シルバーを《かばう》して、行動終了!

サノウ:中々稼ぐのう

シルバー:リュミエルはキャラ作成からピンゾロ多いな……じゃあ俺行くぜ

    《魔力撃》!(ころころ……)9じゃ雑兵にも当たらねぇな、行動終了!

ラム:ボクはいつも通り(ころころ)外れました

サノウ:三人連続はずれじゃと……!?

シルバー:よくあることだな

サノウ:えぇい情けない。わしはやるぞ、【ウルフバイト】!

   (ころころ)行使は成功して(ころころ)雑兵Aに、物理で6点ダメージじゃ!

GM:はっはっは。まだ余裕だぜ


 苦しい始まりです。

 シルバーたちの攻撃が中々良い結果になりません……


GM:それじゃあ雑兵ども&弓兵は、ランダムに対象を決めて……(ころころ)

  リュミエルに3回!くらえ!

リュミエル:全部防護点で弾いた

GM:なにぃ!?


 しかしリュミエルは硬い!

 ボルグっぽい盗人は防御を貫けるか!?


リュミエル:回避失敗!

GM:ダメージは(ころころ)11!

リュミエル:3点抜けた!

シルバー:本当に硬いな!?

リュミエル:ふっふっふ。これこそ私の真骨頂さ

ラム:そしてボクが【ヒールスプレー】……完全回復です。

リュミエル:私は無敵かもしれん


 本当にそんな気がしてきました。

 前回の戦闘から反省し、リュミエルとラムはしっかり【ビートルスキン】や【ヒールスプレー】を使用。

 あからさまに強くなり、一行は調子づきます。


ラム:ダメージもいいです。7点!

サノウ:出目10!12点ダメージの【ウルフバイト】じゃぁ!

リュミエル:トドメだ!11点!

GM:雑兵Aが溶けたぁ!?

シルバー:前半の反動が出始めたな。よし、俺も負けてられん

    《魔力撃》!!

GM:こ、こいやぁ!

シルバー:(ころころ)命中して(ころころ)13点!

GM:シルバー君安定して高いねぇ


 盗品屋の時とは打って変わって、快進撃の開始です。

 残る雑兵Bと弓兵の攻撃はリュミエルに弾かれ。

 ランダムに頼らずシルバーを狙ったボルグは、《かばう》を宣言していたリュミエルに防がれます。


GM:(ころころ……)痛恨撃発生!!18点ダメージを喰らえぇ!!

リュミエル:あ、それは結構痛いぞ……!?10点受けた!

ラム:あわわわわわ


 しかし反撃もここまで。

 雑兵Bはサノウの【ウルフバイト】で撃沈(「あ、わしもう魔法使えない」「充分仕事しましたよ!」)し、残る前衛はボルグのみ!


ラム:攻撃します!(ころころ……)8点!

リュミエル:続くぞ!(ころころ)ピンぞろぉ!!

GM:ふっふっふ。この程度ではボルグっぽい盗人は落ちないよ。かけら入ってるもんね!

シルバー:関係ねぇ!《魔力撃》でぶった切る!(ころころ)命中して(ころころ……)おっ!

サノウ:おお!クリティカルじゃ!

シルバー:しめて24点の物理ダメージだぜ!

GM:ぐわぁぁぁ!!!


 またしてもシルバーの一撃が大回転、一気にボルグのHPを削ります。

 しかしボルグの反撃も中々のもの!(「あ、《かばう》忘れてた」「【ヒールスプレー】もです……!」「恒例行事だね」)

 またしても痛恨撃が発動し、一気に18点のダメージ……シルバーのHPを半分以上消し飛ばします!

 あ、弓兵はリュミエルに弾かれました。


シルバー:ぐはぁ!?(残HP10)

リュミエル:落ち着けシルバー、傷は浅いぞ(残HP8)

シルバー:お前に言われるとそんな気がしてくるぜ

ラム:錯覚です!【ヒールスプレー】!

シルバー:マジで助かる。

サノウ:ふぉっふぉっふぉ(残MP1の地蔵)

ラム:ぐぐぐ……早く倒さないとまたお金が!攻撃です!(ころころ……)命中

GM:(地味だけど馬鹿になんないんだよなぁ、ラムちゃんの攻撃)

ラム:(ころころ……)あ!クリティカルしました!14点ダメージです!

GM:ぐはぁっ!?(ぜんぜん地味じゃない!)


サノウ:……む?これ、ボルグの残りHP1じゃな?

GM:うへぇ

リュミエル:トドメはいただいた!(ころころ……)そもそも当たらない!!

シルバー:よっしゃ行くぜぇぇぇえ!!

PLズ:いっけぇぇぇぇぇ!!

シルバー:(ころころ……)命中、悪よ滅びろ!!!


 シルバーの《魔力撃》が、見事ボルグを打倒しました!!


##エンディング……?


 見事、盗品を積んだ船を襲撃し、悪党を撃退した一行。

 しかしまだ依頼は終わっていません!

 逃げた猫ちゃんを助けなくては……


サノウ:急がんと、悪党の仲間が来るかもしれんぞ(残MP1)

シルバー:今から戦闘はさすがに死ぬな(残HP13)

リュミエル:私は一向に構わん!!(残HP8)

ラム:ボクが構います……(残金0)

GM:死屍累々だねぇ

シルバー:さっさと船倉漁って逃げるぞ!

PLズ:おー!

GM:それじゃあね、お宝とかいっぱいあるんだけど……猫ちゃんを見つけます。

リュミエル:おぉ!!


 まるでぬいぐるみのような猫だった。

 黒い毛並みはつやつやとしていて、目はくりっとしていて、冒険者たちの照明を映している。

 その首元には、豪華な、真っ赤な宝石の首飾りをつけている……。


リュミエル:ねこちゃーん!キミのために私は一回死にかけたぞ!さぁこっちにおいで!

GM/猫:「私を見逃してください!!!」

ラム:しゃべったぁぁぁぁぁぁっぁあぁ!?


 そして、猫はしゃべった!!


シルバー:えっ、なんだなんだ。まだ依頼終わんないのか!?

GM:猫に近づけば分かるが、ぷるぷる震えてて……そしてぬいぐるみだと分かるよ

サノウ:……【リモート・ドール】かの

GM:お、じっちゃ知ってたか。じゃあ分かります。

  この猫のぬいぐるみは、ある魔法使いが魔法で操っているものだと分かります。

  そして、かわいい女の子の声で言うぞ

GM/猫:「私は……この宝石は、屋敷に返す訳にはいかないんです!!」


「陰謀か?」「小太り、怪しかったもんなぁ」「宝石って一体なんなんじゃろ」「おかねは……?」


 多くの謎を残しつつ、キャンペーン第1話、クリアです!!

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