猫を追いかけたら街の運命背負う事になった件

@syusyu101

第0話 はじまる前にキャラ紹介

GM:シティシナリオやりてぇ


 という事で、そういう事になった。



◆◆◆開催当日◆◆◆


 GMに加え参加者4名、計5名がボイスチャットアプリのサーバーに集合していた。

 冒頭文のような雑な要請に答えてくれた、気心の知れた友人たちである。


プレイヤーA:ナイトメアやるから迫害シーン入れてよ、GM。

GM:えぇ……

プレイヤーB:ナイトメアはそういうのできて良いなぁ

プレイヤーC:タビットのわし高みの見物

プレイヤーD:あの、その様子をボクたちはどういう目で見てたらいいんでしょう……?

プレイヤーB:笑えばいいと思うよ

GM:おかしいな、反対する人が居ない……時間があったらね?

プレイヤーA:やったぜ!!


 気心の知れた友人がろくな連中じゃない件。

 まぁ、このゆるーい雰囲気も身内の良い所です。

 このゆるーい感じの集会は、実際にセッションを始める前日に行われました。

 シナリオの今回予告とか、キャラ作成・自己紹介をやる日ですね。

 雑談を楽しみながら、GMは今日すべき事を思い出し、話し始めます。


GM:とりあえず今回やるのは、三話構成のミニキャンペーンだよ。

  PCは初期作成スタート。

  “導きの港”ハーヴェスで起こる、ちょっとした世界の危機から世界を救ってもらうよ。

プレイヤーA:ちょっとした?

GM:うん、ちょっとした。

プレイヤーA:ちょっとしたで世界の危機になるのか……

プレイヤーC:まぁ初期作成じゃしの。こじんまりと楽しもうじゃないか。

プレイヤーA:初期作成なら仕方ないか、よし。ナイトメアだナイトメア



 あれこれお話しながらキャラ作成。

 ステータスでピンゾロが二回出たりして悲鳴が上がりましたが、おおむね和やかに進んでいきます。

 プレイヤーも熟練なので、てきぱき前衛後衛別れたり。

 さらっと変な構成にしてみたり。

 お金で悲鳴をあげたり。

 オンラインセッションが主流になってからあんまり見なくなった光景ですが、やっぱりセッション前に話し合うのは楽しいですね。

 ……さて、一時間もかからずに、冒険者が完成したようです。



プレイヤーA:自己紹介一番槍は俺が貰う(ちょっとクールな声で)

全員:ごーごー

プレイヤーA→シルバー:俺の名前は『シルバー』。こんなナリでなんだが、フルシルの神官戦士だ。


▼データ▼

『シルバー』ナイトメア/男/17歳

技能:ファイター2、プリースト(フルシル)1。

特技:魔力撃

所持品等:バスタードソードは正義

▲   ▲


GM:うわ、もう立ち絵用意したのか……ぼろ鎧の銀髪二本角イケメン@大剣!!

シルバー:説明感謝。まぁそれはさておき。

    俺はハーヴェスの貧民街で生まれ育ってな。親の顔も知らん。

    シルバーって名前も、髪が銀色だったからって後付けした名だ。

プレイヤーB:当然のごとく親に捨てられてんじゃん

GM:ナイトメアだからなぁ

シルバー:水が苦手だからエルフ生まれ、ってことしか分かっていない。

プレイヤーD:あれ?水嫌いなのに、フルシル神官なんですか?

シルバー:良いこと聞いてくれた。


 フルシルは、風と雨の女神様ですね。

 成長すると雨を降らして、ダメージついでに敵の回避を下げたりするやばい神様です。


シルバー:俺は水が苦手だ。弱点だからな。普段も水辺には近づかない。

    だが、嫌いという訳じゃない。

    水が与える痛みだけが、俺に親という存在を思い出させ、俺が一人じゃないと教えてくれる。

GM:なるほど?

シルバー:要するに、雨にバブみを感じるんだ。


 唐突なネタの投入に、私たちは耐え切れず、笑いで一分間ほど会話が中断した。

 せっかくシリアスな雰囲気だったのに!!


プレイヤーD:せっかくシリアスな雰囲気だったのに!!!

シルバー:しょ、しょうがないだろう!?

    俺の語彙力じゃそれが限界なんだよ!スラム育ちだから!

プレイヤーC:スラム育ちならしかたない……かのう?(笑いを抑えつつ

プレイヤーB&GM:(爆笑中)

シルバー:く、くそう真面目なナイトメアを笑いやがって……!

    とにかく!そんな感じで俺はフルシル様を信仰してる。

    冒険に出た理由は、表向きは生きていくための金を稼ぐため。

    本当の理由は、「自分の親を探すため」だ!以上!よろしくお願いします!

全員:(拍手)よろしくお願いしますー


 データ面を補足すると、戦闘特技の【魔力撃】と両手剣で戦う戦士ですね。

 ナイトメアだから中々強いキャラです。設定も強かった。


プレイヤーB:じゃあ、次は私だな。……いかん、私は真面目だぞ。

全員:ごーごー

プレイヤーB:急かすな急かすな……こほん、私は『リュミエル』、未来の騎士だ。


▼データ▼

『リュミエル』人間/女/15歳

技能:ファイター2、レンジャー1、エンハンサー1。

特技:かばう

所持品等:スプリントアーマーとラウンドシールドで防護点6!ビートルスキンでさらにアップ!

  ポーションとか買って所持金0

▲   ▲


プレイヤーB→リュミエル:防護点8!かばう!仲間を守る立派な騎士だ間違いない。

シルバー:ピンゾロめっちゃ出してたじゃん

リュミエル:うぐっ

プレイヤーC:タンク(防御役)なのに生命力でピンゾロとか、大丈夫かの?

リュミエル:うぐうぐっ

プレイヤーD:大丈夫じゃないと、その、思います。

リュミエル:ぐぬぅ……!

GM:振りなおしてもよかったんやで?

リュミエル:うー……!いいもん!私正々堂々タイプの騎士だから、全部一発ぶりでいいもん!

     実際筋力は中々いいぞ。初期作成でスプリントアーマー持てるから充分!

     まぁ、それはさておきロールプレイ、ロールプレイ……んんっ!

GM:がんばれー

リュミエル:ふぅ、落ち着いた。

     改めて、私はリュミエル。いずれ騎士になる女だ。

     生まれつき貧弱(生命、敏捷がピンゾロ)だったが、凄まじい精神力(6ゾロ)で己を鍛えた。

     面倒をかけた家族や、かつての自分のように弱い人々を守るため冒険者をやっている。

     将来は騎士になって、国のみんなを守る仕事につきたいと考えている。

     ……こんな感じだな!仲良くしてやってくれ。

全員:(拍手)よろしくー!

GM:しかし、防護点8は普通に脅威だな。

  ゴブリンじゃダメージ通らないかもしれん。

プレイヤーD:ボクなんか防護点0ですよ。えらい違いですね。

プレイヤーC:これこれ、卑屈になるな

リュミエル:あぁ、そこのママに甘えたがりのナイトメアまで、きっちり守ってやるさ

シルバー:さらりと侮辱されたんだが。


 経歴は意外と王道な努力キャラの彼女。

 後々あがってきた立ち絵も、金髪で線が細くて、かっちょいい鎧を着ているという王道女騎士です。

 本リプレイのヒロインの座は決まったも同然ですね。


プレイヤーC:さて、じゃあ次はわしがいただくか。

全員:ごーごー

プレイヤーC:わしは『サノウ』、ただの老いぼれじゃよ。


▼データ▼

『サノウ』タビット/男/43歳

技能:ドルイド2、セージ1。

特技:魔法拡大/数

所持品等:魔晶石を多めに用意しました。

▲   ▲


リュミエル:もふもふだ!タビットだ!

サノウ:うむ、森のうさぎさんじゃぞ。女子ならいくらでももふってよいぞ

シルバー:ふっ。俺は可愛いものには興味ないぜ

サノウ:おぬしみたいな男など、こっちから願い下げじゃ

シルバー:おっとぉ?

プレイヤーD:キャラ紹介から喧嘩しないでください……

GM:恐ろしく自然な流れだった

サノウ:わしは女の子が好きじゃ。女の子もわしが好きじゃ。

   30年ばかし森でドルイドの研究をしていたから、今の街の女の子の考えることは分からんが

   少なくとも森のうさぎさんは好きじゃろうて。ふぉっふぉっふぉ

シルバー:ずりぃぞうさぎぃ!

サノウ:ナイトメアもかっこいいからおあいこじゃ。

   さて、話を戻せば、わしはさっきも言ったように30年間森で研究しておった。

   おかげで植物や動物に詳しくなり、今はドルイドが2レベル。立派なドルイドじゃな。

   じゃが、そのな。森に飽きてしもうた。

GM:飽きちゃったかぁ

サノウ:うむ。飽きちゃった。

   じゃからわしは人里まで……今回の舞台のハーヴェスまで降りてきたのじゃ。

   冒険に出た目的は「研究」、知らないことをもっと知りたいのじゃー

   あと女の子と仲良くなれれば最高じゃ

シルバー:タビットの寿命って50年くらいだろ?43歳とか、もう隠居しろよ……

サノウ:貴様、わしの【ウィングフライヤー】が欲しくないと申すか

シルバー:あ、欲しいです。ください

サノウ:素直なガキは好きじゃ。

GM:タビットドルイド……魔力点の確定ダメージが怖いなぁ

サノウ:ふぉっふぉっふぉ。モンストラスロアの新技能、楽しみにしておるぞ

   では皆の衆。よろしく頼む

全員:(拍手)よろしくー


 新サプリメント『モンストラスロア』で追加された新技能ドルイドを主軸にしたキャラですね。

 さっき話に出た【ウィングフライヤー】は、簡単に命中と回避が上がるので強いです。

 見たことないから怖いけど、楽しみ。

 あ、立ち絵はアンゴラウサギ(毛が長くて目が隠れちゃう、おじいちゃんっぽい兎)でした。もふ


プレイヤーD:………あっ、もうボク以外全員自己紹介した。ボクの番ですか

GM:そうだよ

プレイヤーD:緊張してきた……じゃ、じゃあ自己紹介行きます

全員:ごーごー!

プレイヤーD:ボクは『ラム』、その、お金ないので虐めても何も出ませんよ……?


▼データ▼

『ラム』レプラカーン/女/15歳

技能:シューター2、アルケミスト1、スカウト1。

特技:ターゲッティング

所持品等:太矢とかマテリアルカードいっぱい買ったので所持金0

▲   ▲


サノウ:おぉう、卑屈な始まりじゃな

プレイヤーD→ラム:だって本当ですもん……

リュミエル:所持金0は私も一緒だぞ

ラム:ボク、回復役しようと思ってアルケミストとったんですよ。

  そしたら、【ヒールスプレー】に使うマテリアルカードのお金と、クロスボウの矢で、その、

  今後一生貧乏がついて回る呪いにかかりました。

シルバー:なぜアルケミストに……?

ラム:プリースト被らせたくないなってのと、ルルブⅢのサンプルの子がかわいくて……

GM:うん。かわいいよね。

  というかラムちゃん以外回復役いないのかい?

シルバー:俺まだ回復魔法使えない

リュミエル:ポーションならあるぞ

サノウ:ドルイドって名前のわりに、回復魔法は無いのじゃ

GM:こぉれは金欠ルートですねぇ

ラム:まぁ、楽しかったらいいんですけど……

  とにかく、ロールプレイしていきます。

  ボクはラムです。レプラカーンの女の子です。錬金術の研究をしてきました。

  でも、研究ってお金がかかって。かかって。

  お父さんたちに頼るのも申し訳なくて。

  研究のお金を稼ぐために冒険者になりました……。

  あ、今夜の宿代もないです。めぐんでください。

シルバー:俺って恵まれてる方だったんだな

ラム:スラム生まれにまで哀れまれている……

サノウ:女の子一人で野宿もつらかろう、どれ、わしについて来るがよい

ラム:良い人だ……!

リュミエル:なんか可哀想になってきたわ

GM:だまされやすそう

ラム:ははは……あ、性能は隙間埋めです。

  メインスカウトと、支援役としてアルケミスト並行で伸ばしていきます。

  メイン武器はクロスボウです。

  防具買うお金なくて防護点0ですけど、きっとお役に立ちます。

  皆様よろしくお願いしますー

全員:(拍手)よろしくお願いしますー


 後に見た目を聞けば、ルルブⅢのサンプル『レプラカーンの錬金術師』を猫背にしておどおどさせた感じとのことです。

 不憫かわいい。

 役割の隙間埋めだったり、貧乏だったり、今回の苦労人枠でしょうか?



 ……さて、これにて運命の四人が集いました。

 彼らの物語が、果たしてどんな方向へ向かうのか……?

 その答えは、導きの港だけが知っているでしょう。


 いざハーヴェス!冒険の舞台へ!!



▼データまとめ▼

レギュ:2.5のルルブサプリ全て使用可、初期作成


『シルバー』ナイトメア/男/17歳

技能:ファイター2、プリースト(フルシル)1。

特技:魔力撃

所持品等:バスタードソードは正義


『リュミエル』人間/女/15歳

技能:ファイター2、レンジャー1。

特技:かばう

所持品等:スプリントアーマーとラウンドシールドで防護点6!

  ポーションとか買って所持金0


『サノウ』タビット/男/35歳

技能:ドルイド2、セージ1。

特技:魔法拡大/数

所持品等:魔晶石を多めに用意しました。


『ラム』レプラカーン/女/15歳

技能:シューター2、アルケミスト1、スカウト1。

特技:ターゲッティング

所持品等:太矢とかマテリアルカードいっぱい買ったので所持金0

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