第23話 ホーリーブラッド教会

 呪いについて調べた結果、クルス・リンシーの呪いを解くためにはホーリーブラッド教会の聖女様の力が必要ということがわかった。

 魔族が教会に赴いては面倒なことになりかねないので、魔族のフレイには宿屋で待機してもらう。


 ホーリーブラッド教会に赴き恰幅の良い禿げた50代の男、大司教ガメツィと交渉したところ1億ゴールドの寄付が必要とのことなので、1億ゴールドを支払い後日呪いを解いてもらうことにした。

 クルス・リンシーに寄付金のことは話さないようにと釘をさしておく。

(これで安心だな、聖女かどんな人なんだろう)


「聖女様に会ってみたいのだが」

「聖女様は忙しい身ゆえアポイントメント無しで会うことは叶いませぬ」

「ふむ、ではアポイントメントを取ってほしい」

「5000万ゴールドになります」

「おいおいいくらなんでもアポイントメントに5000万ゴールドはないだろう」

「アポイントメント料が安ければ会いたいと思う者があとを絶ちませんのでこの価格となります、それに馬車馬のように働いてもらわないといけませんので」

「・・・聖女様というのは本当に存在しているのか?」

「もちろんです」

「アポイントメントの話については無かったことにしてくれ」

「わかりました、では後日クルス・リンシーの呪いを解除するという件は聖女様に伝えておきますゆえ」

「お願いします」

退室する。

 エンネア・ゼロはホーリーブラッド教会を出て人目につかないところまでくると勢いよくズザザーっと土下座をしながら草陰に滑り込む。


(大司教ともなるとホーリーブラッド教会で絶大な権限を持ってるだろうし、価格のつり上げなども思いのままなのかもしれないな。聖女様のことも気になる少し探るか)

「アンノウン」土下座状態のまま姿が消える。

ホーリーブラッド教会に戻り大司教ガメツィを探しあとをつけよう。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る