第11話 亜人討伐

 ダイオアデッド最終イベント世界ではモンスターの襲撃、国境紛争、種族の対立などにより各国で戦火が広がっていた。


 メシアライブ国の西にある小さな町、西マイクロメシアは亜人の襲撃を受け被害を被っていた。 

 西マイクロメシアの人々は救済を求め続々とメシアライブ国の中央付近にある首都ミッドメシアを目指した。被害にあった多くの民を受け入れていた首都ミッドメシア。

 しかし国内では飢饉による食料不足や、流行り病の問題が起こっており多くの市民が国の対応に不満を募らせていた。

 

 首都ミッドメシア 王城の会議室にて

救済国メシアライブの王 齢70歳のメシアライブ2世、齢60歳の宰相バイス・カコクサンド、齢30歳の保護認定担当者ホンドゴノス、メシアライブ冒険者ギルドマスターのフウライ等による会議が行われる。


 「議題は西マイクロメシア救済についてだ。ホンドゴノス」

「はっ、西マイクロメシアが魔物の襲撃を受けて以来連日多くの市民が保護を求めやってきております。保護申請所には長い列ができており保護申請者は減る気配がありません」

 

「王よ。連日避難してきた民を多数受け入れてきましたが住居問題、飢饉による食料不足、流行り病による差別など不和が生じております。首都ミッドメシアでの避難民の受け入れはこれ以上は困難です」


「宰相殿は受け入れが困難と申すが西マイクロメシアの民を受け入れぬというのは国としての信用を失うことになるのでは」


「フウライ殿の意見もごもっともですが、このままではミッドメシア市民の不満が爆発し各地で暴動内乱が起こるやもしれません」

「それほど深刻なのか」


「はい。飢饉による食料不足、瘴気による流行り病が蔓延して市民の不満が高まる中の避難民受け入れ、各国スパイによる扇動や暴動等が起きては最悪内戦となりましょう」


「飢饉、瘴気による流行り病の中、避難してきた民を受け入れるという点においてミッドメシアのキャパ(物事を受け入れる能力)はすでに限界ということか。どうしたものか・・・西マイクロメシアにはびこるモンスターを退治して避難してきた民を元の地に住まわせる支援をしてやりたいが難しいかのう」


「モンスターを撃退した上で復興支援・・・ですか。他の国に支援を要請するとなると領土拡大を目指す帝国は皇帝が領土割譲を条件にしてくるでしょうし、王国も貴族共が私腹を肥やすため領地拡大をもくろみ同様の条件を出してくるでしょう」

「他国の軍を我が国に入れるのは反対だ」

「支援要請は不可能のようだな」


「先日の戦いで西マイクロメシアの防衛軍と参加した冒険者は全滅。首都防衛の兵を動かすわけにはいきませんし、こうなると西マイクロメシアのモンスター討伐を今一度冒険者達に任せる他ありません」

「それしかないか。冒険者ギルドマスターのフウライよ。特別クエストとして冒険者を募ってみてくれるか?」

「わかりました」

「避難してきた民の受け入れについては首都ミッドメシアでは受け入れを中止せざるを得ない。心苦しいが今後保護申請してきた者には食料と水を与え他の街に向かってもらえ。さっそく通達を徹底せよ」

「はっ」

通達を徹底するべく会議室よりナンミ、フウライ、宰相の順で矢継ぎ早に退室。

王以外誰もいなくなった会議室で王はつぶやいた。

「敵の数は残り亜人200体ほど。町の防衛軍と冒険者で殲滅しきれなかったことを考えると冒険者だけでは荷が重いのう」

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