第95話 先に進もう
やちゃるとキャラメルのレベルも上げたので先に進むことにしよう。
シュラたちのレベルも上げた方が良いのはわかっているんだが、最近レベルが上がらなくなっているんだよな。それも横並びでしかも俺と同じレベルという。
明らかにキャップと言うか上限にかかっている気配がある。それも俺のレベルがテイムモンスターのレベルキャップになるとは想定していない結果でだ。本当に綺麗にレベル39で並んでいるんだよな。
はっきり言って俺のアバターレベルは高くも低くもない。
プレイヤー全体の平均という意味ではなく前線組と同程度のレベルという意味だ。トップクラスのプレイヤーのレベルには全く持って追いついていない感じではあるが、別に低くはない。だからなのかあまりレベルが上がらない。
テイマー職に就いているため、直接俺が戦闘をした際の取得できる経験値が少なくなっているのもあるだろうが、フィールドに出現するモンスターのレベルが適切ではないというのもある。
そもそも最前線は現在第5エリアだ。そろそろ第6エリアへ到達しそうなプレイヤーも居るらしいが、俺たちにはあまり関係ない事か。
そして俺が今いるのは第4エリア。前線に立つプレイヤーと同程度である以上、レベル帯が合っていない。特に第4エリアと第5エリアではレベルがそれなりに異なるらしい。
聞くところによると平均して5レベルくらい違うとかなんとか。
それと第3エリアから第4エリアへ移動するために条件があったのとは異なり、第5エリアへは特に条件を満たす必要は無い。なので、第4エリアに留まるのではなくさっさと先に進むべきなのだろう。まあ、そもそも第4エリアで出来ることは全てやってしまっているのでもとからイベントが終わったら進むつもりだったのだけどな。
そういう訳で先のエリアへ進むことにしたのだ。
第4エリアから第5エリアへ移動するために倒さなければならないエリアボスはモスゴーレムだ。
高耐久型のエリアボスで、火力の薄いパーティーではそこそこ苦戦するとの話。まあ、そこそこ苦戦と言っているように、結構倒すことは簡単のようだ。
高HPで高VIT・MNDとは言え、鈍足で的としても大きなゴーレムであるため、ある程度の距離を取って戦えばそうそう負けることは無いだろう。その代わり攻撃を受ければ結構なダメージを食らわせられてしまうようだが。
まあ、それに適正レベルが30だから俺たちからしたら完全に格下だ。下手に油断したりしなければ負けることは無いだろう。
『オォオォォォォ……』
目の前に高くそびえていた苔色のゴーレムが断末魔の叫びを上げ、体が崩れていく音を立てながら地に伏した。
『エリアボス モスゴーレムの討伐に成功しました。
これにより次のエリアである第5エリアへの移動が可能になりました』
やはり推奨レベル30のボスに平均35以上のレベルで挑めば、レベル差を覆すのは難しいよな。俺は討伐成功アナウンスを聞きながらそう思った。
元から分かっていたことだが、モスゴーレムは完全封殺状態で討伐することが出来た。
状態異常は効果が薄いのでぷらてあの蔦と朱鞠の糸による拘束で動きを封じ、後は一斉にモスゴーレムをたこ殴りにすることでさして苦労することなく短時間で討伐した。
まあ、最後の方はさすがゴーレムと言った感じの力で拘束を抜け出しそうになっていたが、モスゴーレムのHPが尽きる方が早かったため、事なきを得ていたわけだが。いや、抜け出していたところで攻撃を食らったとは思わないけどな。
そうして、ボスの戦闘エリアから出た。寄り道しながら街に向かうのもいいかもしれないと少し考えたが、先の街でイケシルバーたちと会う約束もしているので、俺たちはそのまま第5エリアの主要都市に向かって進むことにした。
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